高鳴る期待 ページ10
『何時まで寝ているのかしら？』
冷たく、冷淡な声が室内に響いた。
その声で俺は飛び起きる。
聞きたかった声だけど、聞きたくなかった声。
それは、香坂先輩に対する声とは違ったから。
顔をあげると、呆れた表情をした整った顔があった。
スラリと伸びた細長い手足が、馬鹿じゃないの…とでも言いたげな仕草をしている。
うっ、嘘だろ……なんで桜木先輩が！？
キヨ「っ！？」
いつからいたのかはわからないが、手に持っている鍵を見る限り生徒会活動の後なのだろう。
しかも、今教室にいるのは先輩と俺だけ。香坂先輩はいない。
恥ずかしさでこの場の空気が気まずく感じる。
キヨ「すっ、すみませんっ！！」
『貴方も早く帰りなさい。とっくに下校時刻は過ぎてるわよ』
その声で外を見てみると、空に赤みがかかっていた。
慌てて鞄を持ち、教室を出ようとすると
『あー、……その……もし、よかったら、だけど……。一緒に帰る？』
桜木先輩はきまりが悪そうに目線をそらしながら、伏目がちに問うた。
長いまつげが、一層妖しさを感じさせ心臓がドキリとはねた。
先輩の頬が若干赤らんでいるのは、きっと夕焼けのせいだろう。ただの自惚れにすぎない。
つーか俺誘ってくれるとかめちゃめちゃ嬉しいんだけど！？
二人っきり！？ やば、初日から運使い果たしたわ……。
そしてもちろん、俺が断る理由なんかない。
キヨ「えっ、いいんすか！？ 是非っ！！」
緊張で声震えてないかな！？
動揺してんの隠せてるかな！？
・
・
あまり会話もなく一階まで降りると、人影が見えた。
え、ちょ、どういうこと……？
一人で動揺してると、その影がこちらに近づいてきた。
レト「見回りお疲れさん！ はよ帰ろ……え……？ き、清川君……？？」
……どうやら、そんなラッキーなことが起こるわけないらしい。
鼻声が耳に届くと、自然と背筋が伸びた。
香坂先輩は俺を見るとにこりと微笑み、まだ残ったん？と口にした。
キヨ「…すみません！」
レト「あはは……さあ行こか」
そういうと、俺らは桜木先輩を挟んで歩き始めた。
・
・
会話はどれも他愛のないもので、普通に笑えた。
俺にも全部理解できるような話題だったので、気を使わせてるなと強く思う。
それに、手の届かない高嶺の花のような先輩方だと思っていたけど、意外と普通の、テレビや趣味の話をしていて驚いた。
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hiroakannna(プロフ) - お初…です。とても面白いので続きが見たいです…お願いします。これからも頑張ってください！ (2019年10月14日 9時) (
レス) id: b2ab9312eb (このIDを非表示/違反報告)
。*:゜☆Chamomile☆゜:*。(プロフ) - もちうさぎさん» あぁぁりがとおぉぉございまぁぁす！（大声）そう言っていただけて、嬉しすぎて発狂しました（（頑張ります(｀･ω･´) (2019年1月13日 8時) (レス) id: 865a12b3ea (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ - とても面白かったです！！すんごい設定が私好みで……頑張ってください^^ (2019年1月12日 22時) (レス) id: 5eea963876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。*:゜☆Chamomile☆゜:*。 | 作成日時：2019年1月3日 16時
