聞き耳、秘密 ページ8
っはぁ。
さっきの話が衝撃で、まだ信じらんねぇ。
しばらく生徒会室前で硬直していると。
『ふぁ〜レトルトぉ……』
可愛らしい声が、聞こえてきた。
えっえっ!?!? 微妙に違うけど、やっぱりこれ桜木先輩の声じゃっ!?
ぜんっぜん違う甘い声で、香坂先輩を呼ぶのは、きっと桜木先輩だ。
しかも、レトルト、と呼ぶのなら尚更そうだ。
俺は罪悪感があったが、すこし聞き耳をたててみることにした。
(レトルトside)
『ふぁ〜レトルトぉ……』
疲れ切ったように俺の名前を呼ぶ、目の前の少女を見つめる。
さっきの生徒会長と同一人物だと、誰が想像できるだろうか。
ま、それを知るのは俺しかいないんやけど♪
レト「どしたん、A。そんな疲れたか??」
のびーっとするAの頭に手を置き、優しく撫でる。
『もちろんよ……朝から後輩歓迎したり、入学初日で後輩に囲まれたり……』
レト「あはは……ご苦労さん」
そういう俺も、まぁ後輩ちゃんから連絡先聞かれたりして大変やったけど。
Aは俺に対してだけ、この姿を見せる。
普段は気を張りっぱなし。俺の前だけで気を抜くAが、言葉に言い表せないほど可愛い。
『それにしても……彼も大変ね』
俺が頭に置いた手を握りながら、Aは答えた。
俺の手にAのひんやりとした温度が伝わってくる。
レト「……清川君のこと?」
『ええ。正直、生徒会なんかに誘っちゃって罪悪感しかないわ』
レト「モテる男は辛いなぁ。しかも文武両道って聞いたで」
『あー……そう。まあ、彼が了承してくれるといいんだけど……』
不機嫌そうに言うAに少し疑問を覚える。
レト「一切他人に無関心なAがそこまで言うのは珍しいな。……どしたん、彼に惚れたん??」
冗談交じりにそんなことを言ってみる。
そこでうん、と頷かれたら俺の立場なんて一切なくなってしまうんやけど。
『……本気で言ってるの? 私が好きなのは、レトだけよ』
憎いほど甘ったるく可愛らしい声で言ったかと思うと、妖艶な笑みを俺に向けた。
くっ……。
『冗談よっw 照れないでっw』
レト「まーたそうやって人をからかって……」
冗談、なんていっても。
やっぱりそんなこと言われれば、嬉しいに決まってる。
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hiroakannna(プロフ) - お初…です。とても面白いので続きが見たいです…お願いします。これからも頑張ってください! (2019年10月14日 9時) (レス) id: b2ab9312eb (このIDを非表示/違反報告)
。*:゜☆Chamomile☆゜:*。(プロフ) - もちうさぎさん» あぁぁりがとおぉぉございまぁぁす!(大声)そう言っていただけて、嬉しすぎて発狂しました((頑張ります(`・ω・´) (2019年1月13日 8時) (レス) id: 865a12b3ea (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ - とても面白かったです!!すんごい設定が私好みで……頑張ってください^^ (2019年1月12日 22時) (レス) id: 5eea963876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。*:゜☆Chamomile☆゜:*。 | 作成日時:2019年1月3日 16時