舞い上がる為に ページ47
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――幸せな夢を見ていた気がする。
否、あれを夢と呼ぶことなど出来はしない。彼の言葉を、手のひらの優しさも、わたしには全て否定なんて出来やしないのだ。
だからこそ、覚悟を決めたのだから。
朝日に熱が宿らないくらいの時間であった。御剣はとある人物の元へと赴いていた。
指の関節あたりををこつこつと軽く打ち付け、目の前の扉を鳴らすと、返事替わりに扉が静かに開き、その向こう側にいる人物へ、少女は迷いのない青く透明な眼差しを向けていた。
｢監督、お話があります。｣
向かい合う存在……監督、趙金雲はまるでそれを予測していたかのようにニヤリ、とニヒルに笑い御剣の申し出を承認したのだった。
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｢あれ、御剣は？｣
｢もう朝飯の時間終わっちまうぞ、寝てんのか？｣
イナズマジャパンのいつも通りの朝食の席に、一人なかなか姿を見せない人物に疑問を抱いたのは、キャプテンである円堂を筆頭とした彼女と同学年である三年生のメンバーであった。
｢そういや明日人と一星探しに行く時も"ちょっと立て込んでる"の一点張りだったし、徹夜で作業でもしてたのか？｣
今朝方、前日に行方をくらましていた稲森、一星を捜索する人員を募るために御剣に声をかけていた剛陣が首を捻る。
……同日の夜に起きた出来事は、幸か不幸か当事者である御剣と風丸以外に知る者はいないのだ。木々に覆われながら起きたことも、二人で深緑の暗がりから戻ってきたことも、誰一人として知るよしもない。風丸と同室である基山も、彼に深入りすることは出来ず"ただ夜風の中走り込みをしてきた"という曖昧な認識のみを胸に残している状態である。
だから当然、この事態の真相に漕ぎ付く事を許されるのはただ一人だけなのだ。
｢……俺、様子見てくる。｣
食器を片付け、そう言い放った風丸はすたすたと食堂を早歩きで去っていった。
静かに言い放たれたはずの言葉は、不思議とすうっとはっきりと耳に入って、その場の時を少しばかり置き去りにする形で風は吹き抜けていった。
……風丸には心当たりがあった。否、心当たりと言うにはあまりに心許ないものではあったが、彼女が"ケジメを付ける"ならきっとそうするであろう、という根拠も確証もないものに少年は従った。
――思えば昨日だってそうだった。そうしたから間に合った。だから今度だって、きっと間に合うはずだ。
そうして、季節外れの色彩をとうとうその目に捉えた。
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 19時) (
レス) @page50 id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 御剣さん誕生日おめでとうございます！こんなにログイン出来ないの悔しいって思ったの初めてかもしれない…これからもずっとゆきさんと御剣さんを応援しています！！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 御剣さん本当に好きです！この先の展開も予想がつかずいつも楽しみにしています！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年6月9日 21時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ろーださん» へァ?!!!!!!!本当ですか……?!!!うちの子が人様のご縁になるとは……!!こちらこそうちの子を出会いのきっかけにして頂いて、ありがとうございます!! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 05b431dc35 (このIDを非表示/違反報告)
ろーだ(プロフ) - 聞いてください、ゆきさん！御剣さんの話題で友達ができました！これも、御剣さんの生みの親であるゆきさんのお陰です！！これからも、更新頑張ってください！！！ (2019年4月19日 15時) (レス) id: b040f787bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年2月13日 20時
