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＊
｢ふふ、来てくれると思ったわ。｣
｢……｣
御剣の瞳は虚ろで遠くすらも見ておらず、それがより一層目の前に経つ男女を喜ばせていることに、無論彼女は気づいている。だから、それを油断ととり、万が一の時は走ろう、という思考は辛うじて残っていた。……最も、頭では考えても身体が反応してくれるかはまだ不明ではあるが。
｢ねぇAちゃん、なんで私達がここにこられたのか、教えてあげましょうか。……オリオン財団、だったかしら。そこの上層からここまでの道を教えて貰ったのよ。貴方を財団に連れていくことを条件にね。｣
｢……オリオンが。でも、おかしいな、貴方達は人間なんて大嫌いで、そんな命令じみた事なんて聞くわけない。｣
｢そうだね、Aの言う通り、僕達だって最初は聞く気なんてなかった。｣
｢……でもね、もう1つの条件で、私達はそれを改めたのよ。｣
その条件とは、と御剣が問いかける間もなく守形は続けた。うっそりと瞳を怪しく揺らめかせ、堪らない悦楽に身を委ねるように蕩けた声で、とんでもない事実を告げた。
｢財団に集った絶望し切った素体を、私たちにくれるって言うのよ。｣
｢……な、｣
流石の御剣も、この狂気に充ちた発言を簡単に飲み込むことは不可能であった。
つまりは、財団に尽力しなければならないだけの経歴……何かしらの絶望的要素を持った少年少女が、過去の御剣と同様の扱いを受ける、という事だ。
｢なら、私は尚のこと着いていかな……｣
｢これを言ったところで逆効果なのは、私達だってわかっているのよ。だから、ね……風丸君、だったかしら？綺麗な青い長髪の男の子、貴方とよく一緒にいる。｣
｢……!!!!!!!｣
｢あの子、綺麗な顔してるから貰おうと思うんだけど、貴方の代わりに。｣
風丸の名前が上がった途端、御剣の顔は絶望の色をより濃くした。僅か雀の涙ほどの抵抗意識はあっさりと吹き飛ばされてしまったのだ。
自分が行けば財団に従っている少年少女が自分の二の舞になる。だけど自分が行かなくては風丸に被害が及ぶ。……その選択肢で御剣が葛藤することは無かった。彼女の中の優先順位、尊重すべき側なんて決まり切っているのだから。
｢それにわかっているだろう。僕達と次に対面した時は、もう、鬼ごっこはおしまいだって。｣
それも無論彼女は理解していた。次が自身の最後である、と自覚していたからこれほど憔悴し切っているのだから。
｢さぁA、もう夢は見ただろう。そろそろ戻っておいで。｣
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 19時) (
レス) @page50 id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 御剣さん誕生日おめでとうございます！こんなにログイン出来ないの悔しいって思ったの初めてかもしれない…これからもずっとゆきさんと御剣さんを応援しています！！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 御剣さん本当に好きです！この先の展開も予想がつかずいつも楽しみにしています！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年6月9日 21時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ろーださん» へァ?!!!!!!!本当ですか……?!!!うちの子が人様のご縁になるとは……!!こちらこそうちの子を出会いのきっかけにして頂いて、ありがとうございます!! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 05b431dc35 (このIDを非表示/違反報告)
ろーだ(プロフ) - 聞いてください、ゆきさん！御剣さんの話題で友達ができました！これも、御剣さんの生みの親であるゆきさんのお陰です！！これからも、更新頑張ってください！！！ (2019年4月19日 15時) (レス) id: b040f787bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年2月13日 20時
