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｢一星、何やってんだよ…お前は悪いやつじゃない、プレーを見ればわかる。
どうして、俺たちに何も話してくれないんだ。｣
稲森のその言葉には、仲間として頼ってもらえなかったことへの淋しさが混じっているようであった。
全員の視線が一星に集まる中、今まで黙って事の成り行きを見ていた吉良が口を開いた。
｢弟が病気何だよなァ。で、手術代を工面してもらう為にオリオンの連中に従っている、そうだよな。｣
簡潔に状況を再確認されると、一星は静かに肯定した。吉良はそれを合図として、彼にひとつの道を提示した。
｢お前の弟の手術代、俺が親父に頼んで借りてやるよ。｣
｢……え…?!!｣
一切躊躇することなく、まるで文具を貸すようなノリでとんでもないことを述べた吉良に、一星は本日何度目かの驚きの表情を見せた。
｢(…コイツこんなんだから忘れてたけど、金持ちのボンボンだったなそういや……)｣
決して子供が簡単に取引していい額ではないはずなのだが、それをスナック感覚でさらっと言えてしまう吉良に若干引き気味の御剣。
そんな彼女の反応など無論露知らず、名案だと言わんばかりに口角を上げる吉良に、そんな金俺には返すあても…と再び表情を曇らせる一星。
｢お前は今のサッカービジネスの大きさを知らないのか？｣
暗い気配を一蹴するような吉良に、基山がそれに補足する形で言葉を続けた。
｢ヒロトの言う通りだ。もし俺達が世界大会で優勝すれば、大会スポンサーから賞金が出る。｣
オリオンが築き上げた影響力ゆえの莫大な報酬であるが、今回に限っては皮肉な事にそのリターンの大きさに彼らは希望を見いだした。
｢それで手術代は余裕で返せるはずだ。
それに…俺たちなら絶対優勝できる、そう思わねぇか？｣
そう勝気な笑みで一星を見下ろす吉良に待ったをかけた。……御剣の仕業であった。
｢ねぇ、その必要ってあるの？｣
｢……どういうことだよ御剣さん。｣
彼女の真意を甚だ理解出来なかった吉良は、何の不満がある、と言いたげに御剣の言葉に食いつく。
御剣はそれに対し一瞥だけ寄こした後、一星の目の前に影を作る形で立ち塞がった。
｢本当、嫌な役回りよね。｣
どこか苦しそうな御剣のその呟きは、目の前にいる一星にも届かない程に微かなものであった。
一星、私は今から君にとって残酷なことを告げる。
胸の内でそう宣言しながら、御剣はゆっくりと、確実にその言葉を差し出した。
｢ねぇ一星、君は一体誰を助けようとしているの？｣
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 19時) (
レス) @page50 id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 御剣さん誕生日おめでとうございます！こんなにログイン出来ないの悔しいって思ったの初めてかもしれない…これからもずっとゆきさんと御剣さんを応援しています！！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 御剣さん本当に好きです！この先の展開も予想がつかずいつも楽しみにしています！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年6月9日 21時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ろーださん» へァ?!!!!!!!本当ですか……?!!!うちの子が人様のご縁になるとは……!!こちらこそうちの子を出会いのきっかけにして頂いて、ありがとうございます!! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 05b431dc35 (このIDを非表示/違反報告)
ろーだ(プロフ) - 聞いてください、ゆきさん！御剣さんの話題で友達ができました！これも、御剣さんの生みの親であるゆきさんのお陰です！！これからも、更新頑張ってください！！！ (2019年4月19日 15時) (レス) id: b040f787bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年2月13日 20時
