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御剣はあの時、ゆっくりと流れた一瞬を誰より速く、"跳んだ"のだ。
―― "無明、三段突き"ッ!!
間も、音をも越えるが如く三歩跳躍する御剣の技はあの一瞬を制し、風を切るように一星をその場から攫って行ったのだ。
自分と同様に膝をつきながら肩を支える御剣に、一星は戸惑いをそのまま言葉にして、彼女へとぶつけた。
｢どうして……｣
｢未熟でダメダメな後輩を、先輩が見逃すとでも？
お生憎様だな一星、お前みたいなのには一際目敏いんだよ私は。｣
呆れたような表情で微塵も迷うことなく即答する彼女に唖然としている一星の元に、稲森と野坂が駆けつけ、一星の片側ずつを支えながらベンチへとゆっくり歩を進めて行った。
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ベンチに座らされ、冷や汗を流しながら俯いている一星の様子は、誰がどう見てもただ事ではない事がわかる程に憔悴しきっていた。
｢……光と、またサッカーがしたかっただけなのに、なんで、誰かを傷つけるような真似までしたのに、光は、光は……!!｣
｢いいこと教えてやろうか一星。｣
星を掴むような事だ、もう叶いはしない、と言うように消え入りそうな声で己の行動を顧みた一星。
ふと、頭上から掛けられた声があっけらかんと述べた。
声の主は、先程自分を窮地から攫った御剣だった。
彼女は一星の様子を見るなり、にまりと口角を上げ、更に言葉を繋げた。
｢お前は誰も傷つけてない。少なくとも、この試合中はね。｣
｢――そういう事だ。｣
新たに第三者の声が投じられた。
誰かが、えっ、と思わず声を上げた。
……それは、戦線離脱したと思われた風丸のものであった。
それを皮切りにほぼ全員が同時に、一点に振り返った。そこには風丸だけでなく、同じく離脱したはずの吹雪の姿もあった。しかも、本人達は、怪我？何のことだ？とでも言うようにケロッとしていた。
……それもそのはずである。彼らは元々、そんな大した怪我なんてしていなかったのだから。
｢風丸さん、吹雪さん……?!!｣
｢無事だったんですか……?!!｣
稲森と基山がその場に共有された事を反射的に代弁した。同時に、口にはしてはいないが、誰もが考えているであろう問いに、野坂は簡潔に答えた。
｢2人の怪我は、君のペースを崩すための芝居さ。｣
これには一星だけでなく、事情を全て把握している当事者達――西蔭を始め、一芝居打った風丸と吹雪、そして、あれだけ狼狽えていた筈の御剣――以外のほとんどが絶句した。
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 19時) (
レス) @page50 id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 御剣さん誕生日おめでとうございます！こんなにログイン出来ないの悔しいって思ったの初めてかもしれない…これからもずっとゆきさんと御剣さんを応援しています！！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 御剣さん本当に好きです！この先の展開も予想がつかずいつも楽しみにしています！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年6月9日 21時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ろーださん» へァ?!!!!!!!本当ですか……?!!!うちの子が人様のご縁になるとは……!!こちらこそうちの子を出会いのきっかけにして頂いて、ありがとうございます!! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 05b431dc35 (このIDを非表示/違反報告)
ろーだ(プロフ) - 聞いてください、ゆきさん！御剣さんの話題で友達ができました！これも、御剣さんの生みの親であるゆきさんのお陰です！！これからも、更新頑張ってください！！！ (2019年4月19日 15時) (レス) id: b040f787bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年2月13日 20時
