縁を辿るように ページ1
｢野坂、私この後の特訓少し抜ける。例のアレまでには戻るから。｣
｢構いませんが、一体何をするつもりで？｣
｢ちょっと調べたいことがある。｣
日が西に偏り、辺りが燃えるように照らし出されている。
通常練習をこなし、皆が一息ついていた時にふと、そんな会話が聞こえた。
御剣は要件を言うだけ言って自室の方向へぱたぱたと駆け足で去っていった。
その背を見送っていると、不意にスマホが震えた。
……佐久間？
静かにその場を離れ、人気のない通路に出る。
｢……もしもし？｣
《お、でた。久しぶりだな、急に連絡電話入れて悪いな。》
｢それは構わないが、どうした突然。｣
《単刀直入に聞くぞ、御剣、今どうなってる。》
至って平常な声だった。
その言葉は、御剣に何かあったことを前提としたものであった。
｢……どうも何も、明らかに様子がおかしい…オーストラリア戦の後から。｣
《……だよなぁ。》
｢佐久間、お前なんか知ってるのか？｣
《オーストラリア戦の時、あいつ怪我して医務室送りになったろ。それで源田と具合を見に行ってやったんだ。》
仕方なく、と強調してつけ加えられたことに相変わらずだな、と向こうに伝わらないよう密かに苦笑しつつ、続きに耳を傾けた。
《アイツが元義両親に首締められそうだった現場に鉢合わせたんだよ。》
｢…なん、首……?!!!｣
それは、あの日御剣が語らなかった出来事。
意図してなのか、はたまた特に考えていなかったのかは分からないが、その事実に思わず声を張ってしまった。
《その様子だと、これは言わなかったみたいだな。あの馬鹿、大方余計な情報だって切り捨てたんだろうよ。
……それで、とりあえず俺と源田で追っ払ったんだが、その時から少し様子が変だった。》
そうか、俺達が見ていないうちにそんな事が。
佐久間達が間に合ってくれてよかった、と素直に礼を述べると、佐久間はぶっきらぼうに別に、と返した。
｢……殺される、とは言っていたが、既にされかけてたとは。｣
《……お前、御剣にどこまで聞いたんだ。》
｢アイツが昔その元義両親に何されてきたか、くらいまでは。｣
《そうか、お前にはちゃんと話したんだな。》
｢？
《"今は思考がごたついてるから無理"だとよ。嫌なものを隠すような素振りはなかったが、結構深くやられてるのはわかった。》
さすが似た者同士と言うべきか、内容を知らなくてもその重大さはしっかりと把握していた。
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 19時) (
レス) @page50 id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 御剣さん誕生日おめでとうございます！こんなにログイン出来ないの悔しいって思ったの初めてかもしれない…これからもずっとゆきさんと御剣さんを応援しています！！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 御剣さん本当に好きです！この先の展開も予想がつかずいつも楽しみにしています！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年6月9日 21時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ろーださん» へァ?!!!!!!!本当ですか……?!!!うちの子が人様のご縁になるとは……!!こちらこそうちの子を出会いのきっかけにして頂いて、ありがとうございます!! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 05b431dc35 (このIDを非表示/違反報告)
ろーだ(プロフ) - 聞いてください、ゆきさん！御剣さんの話題で友達ができました！これも、御剣さんの生みの親であるゆきさんのお陰です！！これからも、更新頑張ってください！！！ (2019年4月19日 15時) (レス) id: b040f787bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年2月13日 20時
