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無印 12月31日 ページ11

「うー、さむ……」

日付の変わる前の寒空の下、上着のポケットに両手を突っ込みながら歩いていた。
なんでそんな時間に外を出歩いているのかというと、それは今日の日付に理由がある。

12月31日、年の変わり目の夜中といえばやることは限られているだろう。
……初詣、テレビのニュースとかで神社で人がごった返しているのは見たことがあるが、実際に行くのは初めてだ。

女子マネ全員で行こう、という話になり、こうして集合場所である雷門中校門前まで、街灯と月明かりに照らされるだけの頼りない夜道を歩いているわけだ。

「あっ、せんぱーい!!こっちですー!!」

目的地に近づくにつれ見えてきた人影が一人、こちらに手を振る。あれは、春奈かな。
手を振り返そうとしたその時、何やら人影が多いことに気がつく。
マネージャーは私を覗いて4人、対して今私に見える影は7人。おかしい、明らかに3人多い。
徐々に距離が縮むにつれて、その3人の姿が見えてきた。

「……ってお前達、どうしてここに。」
「お、御剣も来たか!!」

夜の景色には些か眩し過ぎるような笑顔を見せ、私の言葉に返事をしたのは、なんと円堂だった。
他にも風丸、鬼道までもがそこに居て、これは一体どういうことだ、と秋に問いただした。

「えっとね、円堂君達もここで待ち合わせてたみたいで、どうせなら一緒に行こうって話になったの。」
「女子だけで夜道は危ないだろうし、丁度いいだろう。」

秋の説明に鬼道が補足を付け加え、私は成程、と一人うなづいた。
……いや、鬼道の場合は単純に妹が心配だっただけだろう。そう考えるとこれは偶然ではないのでは、とも思ったが、それは言うだけ野暮な気がしたので口を噤んでおいた。



「ていうか先輩、振袖とかじゃないんですね、ちょっと意外かも。」
「なんでさ……」
「先輩って和服の方が似合うイメージがあるので。」
「まあ、あるなら着てきてもよかったかなって思うけれども、生憎うちには置いてなかったからねぇ……」

春奈は私にどんなイメージを持っているの……まあ、自分でもそう思うけど、スカートのひらひらしたのとか正直好かんし。

「まあ、歩きにくいし、着付けにも時間食うし、普段通りの格好のがいいでしょ。」
「それもそうですね!!先輩何着ても可愛いですし!!」
「嬉しいこと言ってくれるな〜この〜、うりうり、愛いやつめ〜」
「……じゃれるのは構わないが、時間は考えろよ。」
「なーによ鬼道ー、羨ましいのー?」
「な、ち、違うぞ。」

・→←イナダンテレフォンネタ 霧野



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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして!コメントありがとうごさいます!ご指摘ありがとうございます!確認次第訂正いたします! (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました!!というか返信してくれてありがとうございます!毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね!見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね! (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2018年12月17日 23時

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