・ ページ16
Aside
注意された国木田さんは不服そうに敦君から離れ席に着いた。
「敦君、立てる？」
私が手を差し出すと「ありがとうございます」といい手を取ってくれた。
敦君を立ち上がらせ、椅子に座ったところでまた話しあいが始まった。
太宰「それで、君は何を知ってる」
始めに太宰さんが問い掛けた。
太宰さんの目が何かを探るかのような色に変わる。
もしかしたら太宰さんはこうなることを見越していたのかもしれない。
昔から、こんな人だ。
敦「家の孤児院は、あの虎にぶっ壊されたんです。
畑を荒らされ、鶏小屋を壊され、それに倉庫も……」
自給自足にこだわる孤児院なのだろうか？
敦「死人こそ出なかったけど、貧乏孤児院は立ち行かなくなって
口減らしに僕は追い出された……」
……この時代に、そんなことする人がいるなんて、酷いものだね
太宰「そりゃあ……災難だったね」
国木田「それで小僧、殺されかけたというのは？」
その質問に敦君は力強い声で答えた。
敦「あの人食い虎、僕を追いかけるかのように僕の行く先々に現れるんです
この間も鶴見川の辺りを歩いてるときに………」
自分のみた虎の話を私達に話す。
聞けば、ミラーに写った自分の姿
その背後に白虎がいたんだそう。
それでも縋ったり、頼ったりする人がいないのはさぞかし辛かっただろう。
敦「施設を追い出された二週間前から何度も彼奴の影をみた
きっと僕を追って街まで降りてきたんだ」
「最後にその虎をみたのは？」
敦君は思い返すかのように指を折る。
敦「鶴見の辺りで彼奴を見たのが、確か四日前」
四日前、確かに同日に目撃情報が入っていた。
そういえば最初の目撃情報は二週間前とも聞いた。
偶然にも、程がある。
国木田「確かに虎の被害は二週間前にこっちに集中している。
四日前に鶴見の辺りで虎の目撃情報もある。」
ということはその前にも被害があったということか。
すると太宰さんがニコニコ笑いながら敦君に向かって言う。
太宰「敦君之から暇〜？」
敦「えっ！？」
あ、何か太宰さんの考えてることわかった気がする。
太宰「君が虎に狙われているなら好都合だ」
敦君は意味がわからない、という顔をする。
始まった、と少し笑う。
こうやって、人を巻き込んで、段々と太宰さんのペースに足を合わせることのなる。
また、始まった。
太宰「虎探しを手伝ってくれ給え」
敦「嫌ですよ！！」
敦君の叫び声が店内に響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 444人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪椿 - 桜花さん» こちらこそコメント有難うございます！更新頑張りますので、之からも楽しみに待っていただけると嬉しいです。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: c09b58169c (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 更新ありがとうございます！ヽ(*´＾｀)ﾉ更新楽しみにしています (2021年3月5日 17時) (レス) id: 387b35d945 (このIDを非表示/違反報告)
くーと。 - う、うれじいでずぅぅぅう！( :д:) (2021年3月2日 23時) (レス) id: 717497968a (このIDを非表示/違反報告)
雪椿 - くーと。さん» 待たせてしまって申し訳ありません……。テスト週間でした……（´・ω・｀）これから更新できる日が増えると思いますのでよろしくお願いします！ (2021年2月27日 22時) (レス) id: c09b58169c (このIDを非表示/違反報告)
くーと。 - やっときたぁぁぁあ！！ (2021年2月27日 16時) (レス) id: 717497968a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
