菊七 ページ7
「さて、如何致しますか?鶴丸殿?」
「いや…その…」
今朝のことである。
三日前のあのやつれ切った状態とは比べ物にならないくらいに元気になった鶴丸は早速、「驚きを提供してくる!」などと言って、屋根上から飛び降りた。
待っておれば良いかと思い、待っていたら!
あろうことか、怪我人を落とし穴に落としていたのですよ!?
何考えてんですかこのバカ鶴が!!
「鶴丸殿?聞いてらっしゃいます?」
「ちょ、ちょっと待て!!先ずは話し合おう!な!な!!」
「問答無用!!」
「アーーーーーー!!!!!!」
「鶴丸殿は遠慮が無さすぎるのです!」
「わ、悪かったって….」
「良いですか?怪我人は対象外ですよ!け が 人 は!!」
(ということは、怪我してなければ良いのか)
「怪我してなくても駄目です」
「!?」
本丸内を歩きながら話している。
鶴丸殿は、どうにかして話を逸らそうとしており、はっきりと物申していない状態だ。
潔く反省すればよろしいのに。
「やあ、鶴丸君。そこの君は新入りかな?」
「あ、鶯丸。丁度良かった!この新入り君が茶を飲みたいと言っていてな!」
「ゑ、そ、そんなこと言ってませんよ!?あ、ちょ!鶴丸殿―!」
逃げられた。
全く、逃げ足だけはお早い御方だ。
「まあまあ、一緒にお茶でもどうだい?団子もあるよ」
「頂きます。全く、鶴丸殿は…」
「鶴丸君はいつもああだからね。長谷部もよく怒っていたよ」
「はあ、そうなのですか…」
ずず、とお茶をすする。
嗚呼、疲れた体に染みますね。
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緑雨 - 応援しています (2016年12月11日 15時) (レス) id: 5e89d0674e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬祁 | 作成日時:2016年12月10日 0時