50話「悪役令嬢はメイドじゃない」 ページ50
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「…頼む…」
私をまっすぐと見つめる緑色の眼光。
その目は、ヒーローという私の敵役でもやっぱり綺麗に見える。
でも、今更許すなんて有り得ないでしょう?
『バカにすんじゃねェよ。
私はお前の便利なメイドなんかじないし、お前の操り人形でも無い。
私は自分の意思で生きる。
アンタは私を散々悪役扱いしてきた。
だから、私は悪役として生き抜く。
なのに、助けろ?
ふざけんなよ。
バカにするのも大概にしろよ。』
ああ…またやってしまった。
前回の沖田との件から何かが吹っ切れてしまったのか、本性をすぐさらけ出してしまうようになってしまった。
気をつけよう…
「は?」
と間抜けな声を出す高杉。
『あははっ!
その顔…やっぱり好きだわ!
だから、悪役って言われるんだよねぇ〜…
でも、やっぱり可笑しいの。
しょうがないでしょう?
すっごく、面白いんだもの。
私の本性を見て、表と裏の差に驚くバカの顔。
もう、私の生き甲斐かもしれないわ。』
悪役でも構わない。
この快感を味わえるなら。
そう思ってしまう自分もいる。
『嫌わるのは慣れてる…でも、やっぱり愛して欲しいものよね…』
私は
『では』
と言い残し、高杉から離れた。
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雨歌 - あー、たしかに本性を晒した時の連中の顔ほど面白いものはありませんよね〜。 (2020年2月1日 9時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ - 夢主ちゃんエミリアっぽくってかわいいです! (2017年9月10日 10時) (レス) id: 089367c04f (このIDを非表示/違反報告)
ルーミエ(プロフ) - か、感動ものだ…! (2017年8月19日 22時) (レス) id: 428e92d725 (このIDを非表示/違反報告)
紅姫様 - 更新まだですか?凄く楽しみにしています! (2017年6月11日 15時) (レス) id: 0a22073bf7 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - めっちゃ面白い!早く続きが読みたいです! (2017年6月10日 14時) (レス) id: 1574d4bc36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:83猫 | 作成日時:2017年3月8日 18時