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(じゃあなんの為の会話だったのだろうか……)
そこに興味を持たないというのは余計な詮索をされずに済むということ…私が
「気をつけた方が良いですよ」
「…?ああ、のんびりした雰囲気で忘れちゃうけど、ここって忍者を育てる学校だもんね」
「…それもありますけど、僕が言ってるのは違います。本当に分かってるんですか」
さっきから喜八郎くんは自分が本当に話したいことを私に質問として投げかけてばかりだ。
そして、その質問の答えが私にはピンと来ない。
最初からはっきり言ってくれればいいものを、と思うが、私がそれを理解しているかいないかでは違うものなのかもしれない。
「…分かってないみたいですね」
喜八郎くんの方を見たまま黙ってしまっていると、彼は呆れたような表情を見せた。
「1年は組や保健委員会の人たちばかりと一緒にいるせいかもしれませんが、そういうあなたに良くしてくれる人たちばかりだと思っていると足を掬われますよ」
「え……」
「まあ僕はさっきも言った通り、なんでもいいんですけど」
「……」
(この子は、忠告しようとしてくれているのか…?)
彼なりの心配なのだろう。
私のことを迷惑だと、良く思わない人も忍術学園の中にはいるということを言おうとしている。
まだ彼のことをよく知らないけど、でも。
…なんとなく、そんな気がする。
「…喜八郎くん、ありがとう」
「何言ってるんですか。落とし穴に落とされておいて」
言いながら、彼はこちらに手を差し伸べてくれた。
「お礼を言うなら落とし穴から出た後にしてください」
私はその手を掴む。
喜八郎くんは私の手をしっかり握って、力強く私を引き上げた。
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加糖雪(プロフ) - 犬さん» コメントありがとうございます。お待たしてしまって申し訳ありません…また少しずつ更新していけたらと思うのでよろしくお願い致します! (2022年11月6日 0時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
犬(プロフ) - このお話の続きが楽しみです。更新楽しみにしてます。 (2022年3月24日 8時) (レス) @page27 id: f57686b26e (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - レン。さん» レン。さんコメントありがとうございます。学園の人達と関わっていく中で、夢主がどう変わってどういう選択をしていくのか見届けていただけると幸いです。今後もこの作品をよろしくお願いします…! (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - れなさん» れなさんコメントありがとうございます。感想をいただけてとても嬉しいです。ゆっくりとですが更新再開してますのでどうぞよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ ) (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - これからの夢主ちゃんがどうなるのか気になります!!気長に更新待ってます! (2022年1月16日 4時) (レス) id: 6501380a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年7月25日 4時