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ふう、と短く息を吐くと、新野さんの優しい声がした。
「お疲れ様でした。これで全部ですね」
「はい」
からっぽになった籠の方を向いていた顔を上げると、干したいくつもの包帯が風に靡いているのが見えた。
私は腕に包帯を巻いているからと洗う作業は新野さんが全てこなし、私は外に物干し竿を立てるのと、そこに洗った包帯を干すのを手伝った。
(…洗い作業を手伝えなかった。怪我している私の包帯が邪魔になるとは……)
木と木の間に繋げた紐にかけて干された包帯たちを眺める。
自身の髪の毛も軽く風に攫われていく。
白が、晴れた青い空の下で揺れる。
「ご苦労さまでした。助かりましたよ」
「いえ。保健委員会のお手伝いなのでこれくらいは全然」
私に使っていた包帯も、こうして洗って干したりしていたのかもしれない。
軽率に汚してしまうことを考えていたのが少しいたたまれなくなる。
迷惑をかけないように、とか思っておいて、本当は自分はそんなことが少しもできていないのだ。
ため息が出かけて、隣に新野さんがいるのを思い出して飲み込んだ。
―
カーン、と授業の終わりを告げる鐘の音が聞こえた。
保健委員のお手伝いの時間だ、と少し早いけれど私は部屋から出る。
廊下を歩いていると風が強く吹き込んで、結った髪の毛が大きく揺らされた。
外の風が強い。
ふと先程干したばかりの包帯が気になった。
(見に行くだけ見に行ってみようかな)
雑渡さんの言う通りお節介だ。
でも他に迷惑をかけた分を返す方法も、ここを出る方法も思い浮かばない。
私は包帯を干した場所まで歩いた。
あんまりしっかりと留めたような気がしないから、風に飛ばされてなきゃいいけれど。
物干し竿4つにそれぞれ掛かった包帯がたなびいているのが見えた。
その隙間から、小さい人影。
少し足早に向かっていく私に気がついて、声をかけられる。
「あ、Aさん」
「乱太郎くん…？」
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加糖雪(プロフ) - 犬さん» コメントありがとうございます。お待たしてしまって申し訳ありません…また少しずつ更新していけたらと思うのでよろしくお願い致します！ (2022年11月6日 0時) (
レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
犬(プロフ) - このお話の続きが楽しみです。更新楽しみにしてます。 (2022年3月24日 8時) (レス) @page27 id: f57686b26e (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - レン。さん» レン。さんコメントありがとうございます。学園の人達と関わっていく中で、夢主がどう変わってどういう選択をしていくのか見届けていただけると幸いです。今後もこの作品をよろしくお願いします…！ (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - れなさん» れなさんコメントありがとうございます。感想をいただけてとても嬉しいです。ゆっくりとですが更新再開してますのでどうぞよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ ) (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - これからの夢主ちゃんがどうなるのか気になります!!気長に更新待ってます! (2022年1月16日 4時) (レス) id: 6501380a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加糖 雪 | 作成日時：2021年7月25日 4時
