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「伊作さんなら向こうでバレーを…」
乱太郎くんに言いながらバレーのしている方を振り返ると、
「アターック!!」
小平太さんがボールと一緒に宙を高く飛び、そのボールを地面に力強く叩きつけるところだった。
手のひらで打たれたボールは目に見えないくらいの速さで地面に一直線。
直後、ずどおぉん!とものすごい音がした。
僅かに地面が揺れ、風も起きている。
「……小平太さん、すごいね」
「あ、あはは…七松先輩はいつもああなんです…」
乱太郎くんは苦笑いで返す。
確かにボールの方が小平太さんの力に耐えられなくて壊れてしまいそうだ。
留三郎さんが頭を悩ませるのも分かる。
「って、伊作先輩に包帯の洗濯のこと伝えなきゃ…」
乱太郎くんはそのままバレーをしている六年生の方へ駆け出した。
「パス!」
ボールは仙蔵さんから文次郎さんに。
「レシーブ!」
「トス…もそ」
そして長次さんがボールを高くあげる。
「伊作先輩〜!」
手を振りながら乱太郎くんは走っていく。
「乱太郎?」
伊作さんが近寄ってゆく乱太郎くんに気がつくが…
「いけどんアターック!」
「おい小平太、みんなで繋げてるんだからアタックしてリレーを途切れさせるな、ってなんで俺の方に…!?」
またも小平太さんに力強く打たれた真白いボールは留三郎さんの方へ飛んだ。
留三郎さんが咄嗟に伸ばした腕にボールがぶつかる。
「ぐっ!」
しかし速すぎる球の飛ぶ方向のコントロールまでは間に合わず、ボールは真横に流れた。
そのボールは勢いのついたまま乱太郎くんの方に飛んでいく。
「乱太郎くん!」
叫ぶと同時に、気がついたら私は走り出していた。
「乱太郎!」
伊作さんも叫ぶ。
乱太郎くんはすぐにその状況に気がついて「えっ」と短く声をあげた。
「危ないっ…」と叫ぶ滝夜叉丸くんの声はもう随分後ろの方から聞こえる。
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加糖雪(プロフ) - 犬さん» コメントありがとうございます。お待たしてしまって申し訳ありません…また少しずつ更新していけたらと思うのでよろしくお願い致します! (2022年11月6日 0時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
犬(プロフ) - このお話の続きが楽しみです。更新楽しみにしてます。 (2022年3月24日 8時) (レス) @page27 id: f57686b26e (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - レン。さん» レン。さんコメントありがとうございます。学園の人達と関わっていく中で、夢主がどう変わってどういう選択をしていくのか見届けていただけると幸いです。今後もこの作品をよろしくお願いします…! (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - れなさん» れなさんコメントありがとうございます。感想をいただけてとても嬉しいです。ゆっくりとですが更新再開してますのでどうぞよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ ) (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - これからの夢主ちゃんがどうなるのか気になります!!気長に更新待ってます! (2022年1月16日 4時) (レス) id: 6501380a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年7月25日 4時