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「…ああ、小平太はバレーボールのアタックで学園の壁や塀を破壊しまくってて…挙句の果てにはそのアタックの力が強すぎて、ボールさえも破裂させてしまうんだ」
なんて言ったらいいか分からず、「それは…凄いですね」としか言葉が出てこなかった。
(ボールが破裂って…)
「それで、俺たち用具委員会が補修したりボールを買い直したりする羽目になるのだが…その分の予算をよこせと言っても文次郎は聞かなくてな」
「仕方ないだろう、会計委員会だってこれでも頑張ってるんだ。予算はやれん」
「だから体育委員会の分から予算を引けと言っているんじゃないか」
また喧嘩が始まりそうな雰囲気に、私は思わず間に入る。
「ま、まあまあ二人とも…」
我に返った二人はそれぞれ軽く咳払いをし、
「…はあ、さっきもこのことで文次郎と言い合いしてたんだ」
(た、大変そうだなあ……)
とはいえ私に何が出来るわけでもない。
事情も知らないのに頑張ってください、とだけ言って去るのも変だろう。
完全にボールを渡すタイミングを逃してしまった。
「そうだ。それでだ、ちょうど今忍術学園にあるバレーボールが全滅していて……」
文次郎さんの言葉の途中で、遠くから声が聞こえてきた。
「おーい!留三郎〜!バレーボールのボールを貸してくれ〜!」
小平太さんの声だ。
遠くで辺りを見回して留三郎さんの姿を探しているのが見える。
「マズい、隠れるぞ!」
「え?」
私はボールを抱えたまま、留三郎さん手を掴まれぐいっと引かれる。
後ろからは背中を押すように文次郎さんが着いてきて、為す術もないまま三人で用具倉庫の中に入った。
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ゆっちー(プロフ) - 加糖雪さん» フォロバありがとうございます!こちらこそよろしくお願いします!無理のない範囲で更新頑張ってくださいね!応援しております、、! (2021年7月12日 1時) (レス) id: 075c250024 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - ゆっちーさん» ゆっちーさんコメントありがとうございます!長々と続いてしまっていますが楽しんで頂けてとても嬉しいです´ `*Twitterのフォローもありがとうございます!フォロバさせていただいたんですが、間違いがないか確認して頂けたら幸いです汗 今後もよろしくお願いします…! (2021年7月11日 23時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます!伊作先輩と食満先輩が好きすぎてもう辛い、、、夢主ちゃんの感じもどストライクで見ててもう楽しすぎます!これからも頑張ってくださいね!そして勝手ながらTwitterフォローさせていただきました、、、! (2021年7月11日 6時) (レス) id: 075c250024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年7月2日 0時