まだ息をやめない【RKRN】

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朝食の時に伊作さんに伝えてもらった場所へと足を運び、私は保健委員会の手伝いをしていた。




今日の仕事内容は昨日仕分けをした薬草を日当たりの良い場所で干すこと。

その為活動場所も医務室ではなく、医務室から少し離れた日当たりも風通しも良い場所だった。





「Aさん、薬草はこんな感じでこの上に広げて……」

「こうかな」

伊作さんにせっかくだから人に教える練習をしたらどうかと言われ、隣で作業をしつつ数馬くんが私に薬草の干し方を教えてくれている。

「そんな感じです！」



縁側に沿って一列に並ぶ保健委員の子たちの手の動かし方を見よう見まねにして、私も縁側の上に薬草を広げていく。




「重ならないように、ですよね。伊作先輩」

「そうそう。乱太郎もだいぶ慣れてきたみたいだね。上手いよ」

「えへへ、ありがとうございます！」




大方作業が終わり、伊作さんが私の所へやってくる。


「Aちゃんもいい感じだね」
「ありがとうございます」


(よかった。役には立ててる、かも)



「それにしても今日は風も強くないし、とってもいい天気だし！最高の薬草干し日和だね」

伊作さんはぐっと空を仰ぐように伸びをした。



「気持ちがいいですよね」
伏木蔵くんが笑った。



「いつもなら不運で薬草が風で全部飛ばされるところですけど」
左近くんが苦笑する。


「でも今日はなんだか大丈夫そう」
数馬くんが言い、



「ふふ、Aさんのおかげですかね」
乱太郎くんがこちらを見た。


「…え？」


「確かに。Aちゃんのお陰かも」




伊作さんと目が合った。


「…そう、ですかね」


(いや、多分…いつもの不運(・・・・・・)であることに変わりはないのだろうけど…)

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