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保健委員会の活動場所らしいここ医務室は、私にとって、この学園の中で自分の部屋と食堂の次に馴染みのある場所だ。


医務室の真ん中に、人が三人寝転がれるくらいはある大きさの布と、その上に草花が敷き詰められるように広げられている。薬草か何かだろうか。



「乱太郎伏木蔵、遅かったね」

「あはは、すみません…」
「でもちゃんと全部の委員会を見て回ってきましたよ!」

「そっか、ご苦労さま」



部屋に敷かれた、大半が緑色の葉っぱのようなもので、その中にぽつぽつと白や赤色の花らしきものが覗くそれらを挟んで伊作さんと会話をする。



「ろあちゃんも。学園の案内と委員会の見学はどうだった?」

「二人が教えてくれたおかげで学園内の建物や道はだいたい覚えられましたし、委員会はそれぞれがきちんと仕事をしていてすごいなあと…見学出来て良かったです」

それを聞いて伊作さんは「良かった」と安心したように笑った。




「本当は僕も行きたかったなあ」
左近くんの言葉に私の案内にか、と自分の中で確認する。

「僕も…けど仕方ないよ、委員会の仕事が忙しいから」
数馬くんは優しく笑う。




私は本当にどうして、忍たまにこんなに歩み寄ってもらえているのだろうか。

特別何かをした記憶はない。
いや、私のここに来るまでの経緯が影響しているのだろうか。
できればやめておいた方が良いとも思う。私に限って。



「うう、二人ともごめんね…」
しょんぼりと俯く伊作さんに、左近くんと数馬くんは「伊作先輩のせいじゃないです!」と慌てる。



案内じゃなくてもいいなら、散歩でもなんでも付き合うよ___


と言葉が出かかって、驚き、咄嗟に飲み込む。




そういう守れるか分からない「いつか」を用意してはいけないのだ。



(…喜ばせる以上に悲しませてしまったらダメだよね)

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設定タグ:忍たま , rkrn , 忍たま乱太郎   
作品ジャンル:アニメ
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ゆっちー(プロフ) - 加糖雪さん» フォロバありがとうございます!こちらこそよろしくお願いします!無理のない範囲で更新頑張ってくださいね!応援しております、、! (2021年7月12日 1時) (レス) id: 075c250024 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - ゆっちーさん» ゆっちーさんコメントありがとうございます!長々と続いてしまっていますが楽しんで頂けてとても嬉しいです´ `*Twitterのフォローもありがとうございます!フォロバさせていただいたんですが、間違いがないか確認して頂けたら幸いです汗 今後もよろしくお願いします…! (2021年7月11日 23時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます!伊作先輩と食満先輩が好きすぎてもう辛い、、、夢主ちゃんの感じもどストライクで見ててもう楽しすぎます!これからも頑張ってくださいね!そして勝手ながらTwitterフォローさせていただきました、、、! (2021年7月11日 6時) (レス) id: 075c250024 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年7月2日 0時

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