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Aは留三郎に向かって一直線に走った。
それを迎え撃とうと留三郎は鉄双節棍を振りかぶる。
「よっ」
しかしAは留三郎の目の前で高く飛んで、そのまま飛び越えた。
「逃がすか！」
留三郎はばっと振り返る。
逃げずに、Aはそこに立って留三郎の方を見ていた。
そのまま突っ走って距離を詰めてゆく。
もう何度目かも分からないが、鉄双節棍を振りかぶる。
(Aは避ける動作を見せない…！いける…！！)
留三郎が勝てる、と確信して最後の一歩を踏み出す。
と、底が沈んだ。
「っうわああっ！！？」
ぼすっ！と留三郎は地面の穴に落ちた。
「大丈夫か食満〜」
「おやまあ。綺麗に落ちましたね」
いつものように踏鋤を担いだ喜八郎がAの隣にやってきて、一緒に穴の中の留三郎を覗く。
「綾部。今の勝負見てたの？俺のかっこいいとこちゃんと見てた？」
「人が集まっていたので何事かと思いまして」
「どうだった？俺のこと好きになっちゃった？」
「だいじょーぶですかあ？」
「え、無視？」
「く、クソ…ッ！どうしてこんなところに落とし穴なんか…」
「ふふふ、それはね…俺が綾部の掘ったトラップの場所を完全に把握してるからだよ！」
「そんなことできるのか？！」
「愛があればね！」
「はあ…僕の作ったトラップを完全に把握して、たまに自分でわざとかかりにくるのはやめて頂きたいんですけどねえ？」
「えー？綾部の作った新作トラップは1番に実験台になりたいじゃん？たまに本気で殺されそうになるトラップあるけど」
「実験台って自分で言うのか…」
「それはAさんだけにかかるようにわざと…」
「えっ！俺のためにわざわざ…ッ？！」
「あ〜めんどくさ…」
「食満先輩！」
「留三郎！大丈夫？！」
そこに、乱太郎と伊作もやって来る。
比較的浅い落し穴だったからか、留三郎は自力で穴から這い出た。
「留三郎、怪我してないかい？」
「ああ。どこもしていないみたいだ…」
「この勝負はAさんの勝ちみたいですね」
乱太郎が困ったように笑った。
「っしゃ！…ところで前回はどっちが勝ったんだったっけ？」
「ええと…今回と同じくAがひたすら避け続けて、先に留三郎の体力が尽きてAが勝ったよ」
「そうだそうだ。食満、鍛錬しただけあって、前よりも体力ついたんじゃない？また勝負しようね！」
「絶ッ対しない！！」
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます！ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜！こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (
レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……！無理のない程度に更新頑張ってください！ (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます！楽しんで頂けている様で何よりです…！応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします！ (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ｳｯ…凄く好きです…！！ホント主様の文才が神すぎて…！更新楽しみにしてます( ﾟдﾟ)頑張ってくださいー！！ (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加糖 雪 | 作成日時：2021年5月12日 22時
