きっと息をやめるまで 3 【RKRN】 (ページ6)

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私はまともに考えもまとまっていないのに、つい「雑渡さん」と口を開いていた。

「…私は、村が焼き討ちにされて、自分がこうなってしまった事に対しては何とも思っていません」

ただ、仕方の無いことだったと思っている＿＿そう言うと、雑渡さんは哀しそうな目をした。

雑渡さんの言いたいことはわかる。
私が薄情で冷たいということだ。それは自分でもそう思う。
トラウマすら抱えられないほどだ。

「そりゃあ、偉い人が勝手に取り決めて、戦が繰り広げられて、なんの罪もない人たちが命を落としていくことには、納得いっていません。

けど、村がああなったその責任の全てが雑渡さんにあるわけじゃない。

雑渡さんは善処したんでしょう。

きっとギリギリまで私の村が焼かれるのをどうにか止めようと、仲間と奔走していたんでしょう。

それならもう、充分に責任を果たしたんじゃないですか。

だから、つまり…あなたが責任を感じて、ましてや罪滅ぼしなんてする必要は無いと、思うんです…」

言い終えて、「少なくとも私の分は」と付け加える。

結局何が言いたかったのか、自分でも分からなかった。

「…どうかな。結局色んなことが重なってのことなら、私にも責任の鱗片はある」

雑渡さんは肩を竦めた。

「…そうですか」

私は何も気にしていないというのに。薄情なのだから、そんなこと言わなくていいのに。