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昆奈門は何故ここまで人助けをするのか。
その理由にはもちろん、河原の木の上で少女本人に説明した通り、奇襲を止められなかったこと、戦を終わらせられなかったことに責任を感じているからというのがある。
けれど、忍者がそうやっていちいち負い目を感じていては、そういう仕事である以上キリがないのは事実。実際のところ半分建前かもしれない。
つまり、それだけじゃない。
人助けをしたのには他に理由があった。
それもまた少女本人に説明した通り、忍術学園の保健委員会委員長、善法寺伊作に影響されあやかったから。
そして少女を助けたことに関してはもう1つ。
昆奈門が少女に、
「助けるのは私じゃなくても良かったんじゃないですか」
そう訊かれてつい言いかけたこと。
「それは、君が死のうとしていたから」
君があまりにも可哀想だったから。
あまりに何も持っていなかったから。
そして、せっかく伊作に助けられて拾った命だ。
それを本人が捨ててしまうというのは、伊作のことを考えるとさせたくなかった。
彼はきっと悲しむだろうから。
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年4月25日 20時