きっと息をやめるまで【RKRN】 (ページ10)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:91,765 hit

3 ページ10

｢いやあ入門票にサインをしてもらおうとしたらそのまま倒れちゃったから僕本当にびっくりしちゃったよ｣
｢小松田さんっ動かないでください！｣
乱太郎に腕の手当をしてもらいながら、秀作はその腕をジェスチャーに使おうと動かしかけて注意される。
｢っと、ごめん乱太郎くん｣

｢今学園中がちょっとした騒ぎになってますよ｣
既に手当ての終わった喜八郎が、昼までの生徒たちの情報の伝言ゲームの様を思い出しながらそう言った。

伊作は困ったように笑う。
｢あんまりおおごとになってもなあ……よし、終わったよ。全員戻ってよし。けがには気をつけてね｣

はーい、と声の合った返事をした後、伊作と乱太郎を残して全員が医務室を出ていった。

すると、入れ違うように校医である新野先生が医務室に入ってきた。

｢今日はずいぶんとけが人が多いみたいですねえ｣
すぐ近くの廊下で先程出ていったばかりのけが人たちとすれ違ったのであろう新野先生は困った笑みを見せる。

｢ははは…｣

苦笑いで返す伊作に、新野先生は優しく言葉をかけた。
｢この子は私が見ていますから、伊作くんはお昼を食べてきてください｣

｢あ……ありがとうございます…それじゃあお言葉に甘えて…｣

｢じゃあ伊作先輩、私と食堂に行きましょう！私もさっきのでバタバタしちゃって、結局ランチ食べそびれちゃったので…｣

｢うん。じゃあ行こうか乱太郎｣
｢はい！｣

伊作と乱太郎は並んで歩いて医務室を出ていった。