きっと息をやめるまで【RKRN】 (ページ25)

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｢土井先生と山田先生、説明を頼む｣

学園長先生に早速そう言われ、少女の発見から今に至るまでの流れを2人は説明した。

｢彼女をくノ一教室の方へ運ぶことも考えましたが、今日は山本シナ先生がくノ一教室のみんなを連れて実習に出ていて、誰もいないとのことだったので医務室へ｣

｢それに、校医の新野洋一先生も今日は午後までいませんし、保健委員会委員長の善法寺伊作くんがその場に居合わせていたので医務室の方が良いと判断しました。｣

くノ一教室の方へは人がいないので連れていったところでどうしようも無いし、医務室の勝手を知っている保健委員会委員長がいるとなれば、あの状況では医務室に運ぶのが最善だったのだ。

｢なるほどな。次、彼女を知っている生徒がいないか聞き込みをした六年生の報告を頼む｣

保健委員として少女に付き添った伊作を除き、六年生は総出で生徒への聞き込みを行った。

代表して仙蔵がはい、と答える。

｢生徒への聞き込みを行いましたが、誰もそのような人は知らない、家族や親戚が今日訪れるような予定もないとのことでした｣

学園長は静かに頷いた。

｢ということは、この学園の誰も彼女を知らないということか…｣
曇った声で山田先生が言う。

｢何のために来たのか目的も分かりませんしね｣
土井先生は腕組みをする。

｢…あの、その件についてなんですけど｣

そうっと手を挙げた伊作に、｢何か知っているのか｣と視線が集まる。

｢おそらく彼女は…私が先日手当てをした方ではないかと…｣

山田先生は詳細を求めるように、
｢どういうことだ｣

｢とある村が奇襲を仕掛けられた、という情報が忍術学園に伝わってきた時、けが人が多く出るだろうと予想した私はその村へ救護に行かせていただきました。
先程彼女の容態を確認した時に、包帯の巻かれ方や怪我の具合に見覚えがあって…

私があの時手当てをしたほとんどの人が村の方たちでした。
なので…多分。彼女はあの村の娘なのではないかと思います｣

その場にいた全員が驚いたような顔で伊作の話を聞き終える。

｢本人に確認してみないことには分からないんですけど｣と伊作は慌てて付け足した。