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クロッキー帳を真希先輩に渡し、パンダ先輩と狗巻先輩はそれを覗き込む形で私の描いたものを見ている。
「おお〜!この俺すごく良い!」
「しゃけ!」
「ふむ。まあ…悪くないな」
「モデルしてくれてありがとうございました。お陰様で良いポーズが沢山描けて大満足です!」
先輩や友達の人物画なんて描こうとしたことがなかった。
そもそも、あんな状況で誰かを美術室に呼んでモデルをしてもらうなんてできるはずがなかったのだ。
幽霊を信じてなかったとはいえ、誘いの声をかけるのは冗談ですらはばかられてしまうところがあった。
私が美術室に入り浸ってるのを良く思ってない人達だっていたくらいだ。
どういたしまして、とパンダ先輩が笑うその横で、真希先輩はぺらぺらとクロッキー帳を捲っていく。
と、昨日の絵を見つけたのか、
「…ていうか、昨日も鍛錬が一緒だった1年の絵を描いてんだな」
「あ、あはは…皆さんの身体能力が凄いので、クロッキーの描きがいがあるというか。人物デッサンは色んな顔を描くことが、どんな顔も上手く描ける上達の近道ですし…こんな機会無いと思いまして」
自分の勉強のためというのが第一であることに変わりはないが、絵を描くことでその人のことを知れる。近づける。相手と繋がる手段になる。
その人の内に秘めたものまで全てを分かれることは決してないけど、それでも垣間見えたり、引き出せたり、触れられたりはできるかもしれない。
それが小さい頃から絵を描いてきた私の個人的な見解だった。
そこで、ふと思い立つ。
「……先輩、あの、もう少しだけ絵を描いても良いですか」
「?どうかしたのか」
真希先輩がそう尋ねたのは、私が真剣な表情になっていたからか、声のトーンが変わったからか。
パンダ先輩と狗巻先輩も首を傾げている。
「呪霊をモデルにデッサンが描きたくて」
*
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reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます!(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます!今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜! (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか? (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます!挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…! (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年2月11日 2時