18 おにぎり語 ページ13
早速飲んでいたペットボトルから口を離すとぷは、と声が漏れた。
「疲れた体に染みる〜…」
…何の気なしに発した言葉がオヤジギャグみたいになってしまったことに時間差で気がつく。
ヤバい。今のは“憑かれた”とかけたわけではない。
肝が冷えたが、隣の狗巻先輩は気づいていないから良しとした。
キャップを閉めて、ペットボトルを置いて代わりにクロッキー帳を手にとる。
ちらりと真希先輩の方を見ると、パンダ先輩と見たことも無い速さで動いて攻撃、攻撃、そして防御からの攻撃回避、不意をついて攻撃……。
しなやか且つ軽やかに飛び回っていた。
そして真希先輩の動きからは全く疲れを感じない。ブレない。
私との時はだいぶ手加減をしていたのだと分かってはいたものの実感した。もしかしなくても、真希先輩からしたら肩慣らし程度だったのだ。
すごいなあ。
「ツナマヨ?」
「え、え?」
隣から顔を覗き込まれるようにして話しかけられるが、何しろ言葉の意味が全く通じていない。
すぐに返せず「えーっと…」言葉尻が淀んでゆく。
ツナマヨ、ツナマヨ…ツナ……
「……すみません、伝わって…ないです…」
結局素直に白状した。
狗巻先輩はぶんぶんと首と手を横に振る。
「あ、それは何も言ってないけど分かるかも…」
「しゃけ?」
今度は確認の“本当?”だろうか。
「ま、間違ってたら申し訳ないんですけど。
…さっきの動きは“気にするな”、で、今の“しゃけ”は分かるかも、って言ったことに“本当に?”って訊いてた……と思、」「いくら〜!」「う、んですけど……」
狗巻先輩の私を見る目が輝いた。
私の語尾は遮られ、最後の方は聞き取れないくらい小さくなる。
「当たりですか」
「しゃけ!」
大きく縦に首を振って頷いてくれた。
ほっと息をついた。
「良かったです」
でも、肝心の“ツナマヨ”が何だったのか分からない。
「ツナマヨ…うーん…」と小さく言いながら考えてみる。
と、ひとつ思い当たった。
私はその時クロッキー帳を手に取っていたわけで…
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reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます!(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます!今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜! (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか? (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます!挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…! (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年2月11日 2時