11 器 ページ27
「そういえば宿儺、おとなしいな」
「…すくな?」
「あれっ、Aに話してなかったっけ?」
「聞いてない、と思うけど」
「あー…実は俺さ、」
両面宿儺の器なんだ、と悠仁は言った。
話を聞くと、両面宿儺というのは呪いの王と称される、それはもう大変強大な力の持ち主のことらしい。
両面宿儺、というのは言葉だけうっすらと聞いたことがある。
むかしむかし、から語られるような、古い記録にだけ残っている、今を生きる私たちにとっては朧気な。
そんな存在。
しかし、みんなの言う「宿儺」というのは、伝承の両面宿儺を思わせる強さと異形のためにその名を借りて呼ばれていた呪詛師のことなのだそうだ。
「……呪詛師って?」
「え、五条先生説明してなかったのか」
一連の流れのほとんどを聞かせてくれていた恵が驚いた顔をする。
うん、と頷くと、やれやれといった感じで説明を続けた。
呪詛師というのは、呪術師と同じく呪霊が見えたり呪力を使えたりする人のこと。
呪術師との大きな違いは、その力を人に危害を加えるために使っている点だ。
呪霊を操ったり、呪力を使って事件を引き起こしている元凶。そのせいで行方不明者や死者が沢山出ている。
そんな呪詛師だった宿儺は、およそ1000年以上前の呪術全盛期に大暴れしていた。
当時の呪術師たちは総力を挙げて宿儺の退治に挑んだが、勝つことは出来ず____
「宿儺が死んだ後、20本の指の
その指の一部は高専で保管、特急呪物に指定されている」
「なるほど…」
恵の説明はわかりやすい。
代わって悠仁が続ける。
「その宿儺の指のひとつが、俺の前通ってた学校に置いてあったんだけど」
「え、そんな大変なものが…?!」
「強い呪力があるから、魔除けとして置いてたみたいなんだ。
もちろん、ちゃんと封印して、安置って状態だった。でも…」
「でも?」
「その封印が風化でゆるんで、指に残った強い呪力を奪おうと呪霊が集まるようになって…
俺はまだ呪術師やってなかった時ね。
呪霊が学校に現れまくったからAの学校での件みたいに伏黒が助けに来てくれたんだけど、色々あって、成り行きで。
俺がその指を食べちゃって」
たはは、と笑い半分で悠仁は言った。
「た、食べ…………?」
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加糖雪(プロフ) - ねむさん» ありがとうございます!続編でもよろしくお願いします〜! (2022年2月11日 4時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - ひぇ〜!また更新されておる〜!!めちゃくちゃ良いデス!自分のペースで続編よろしくお願いします (2022年2月7日 22時) (レス) @page43 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - ねむさん» ねむさんコメントありがとうございます!面白いですね〜どんな風に強くなっていくか、今後の展開に期待していただければと思います! (2022年2月7日 9時) (レス) @page42 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 夢主、絵が命かけれるほど大好きなんですね!えと、絵を破かれたりしたら強くなる…みたいなことを妄想しました(><#) (2022年2月5日 20時) (レス) @page35 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - るきー流季ーさん» るき―流季―さんコメントありがとうございます!絵師を目指していらっしゃるんですね。この作品をもって私も読んでくださる方を応援できるように頑張ります! (2022年1月30日 22時) (レス) @page23 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年1月20日 1時