35 「え!?今更ですか?!」 ページ39
俺の裾を少し引っ張って直しながら、土井さんは少し不安げに、
「着方は覚えられたかな」
「多分ばっちりです。土井さん、教え方上手いですね」
「はは…これでも一年は組の教科担当だからかな…」
「こんな上手い先生なら生徒はきっと成績優秀なんだろうなあ」
「ははは…」
お世辞だと思われたのか、土井さんは苦笑いだ。
(本当のことだけど……あーあ、俺も土井さんに教わりたいなあ…)
成績が爆上がりしそうである。
「そういえば、Aさんはいくつなんですか?」
「え?年齢ですか」
土井さんは首を縦に振った。
「今年で18です」
「18かあ…えっ?!」
土井さんは大きい声を出して突然驚いた。
「え?」
「す、すまない…随分と子供扱いをしてしまったと思って…」
そうだよな、背丈も体格も…と呟きながら恥ずかしそうに顔を背けていく土井さんに、今度は俺が驚く番だった。
「え!?今更ですか?!」
百聞は一見にしかずだしな、着せてもらって良かったのかもな、なんて思っていたのに。
「御無礼をお許しください…っ」
土井さんは膝を着いて頭を下げ始める。
「いやいやいや待ってください顔上げて…っ!!!」
しゃがみこんで土井さんの肩を掴もうとしたところで、障子の開く音がした。
「…土井先生、Aさん、何をなさっているのですか?」
部屋に入ってきた山田さんが不思議そうに、抱えていた布団をどさっ、と畳の上に置いた。
*
「布団はこちらに置いておくので就寝の際などご自由にお使いいただければ。…それから、これを」
山田さんは腕にかけていたそれを俺に差し出した。
「それ、俺のジャケット…」
36 (こんなところまで着いて来てきてくれたのか…)→←34 「どうぞ…」
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加糖雪(プロフ) - まぶぴちょこさん» ありがとうございます!( ; ; )以前にもコメントくださっていたまーぶりんさんですよね…?!コメントとっても支えになってます…!とっても嬉しいです。 (2022年11月6日 0時) (レス) @page45 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - 受験お疲れ様です!!大変な時期なのに更新ありがとうございます( ◜_◝ )無理せず自分のペースで頑張ってください…! (2022年11月5日 16時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 小桜さん» 小桜さんコメントありがとうございます!天女ものは色々なパターンがありますが、自分が新しく書くならどういうものがいいだろうと試行錯誤して書いているのでそう言っていただけて嬉しいです(*´-`*) 更新頻度は低めですが今後もよろしくお願い致します…! (2022年1月7日 20時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます!繰り返し読んでいただいているようで本当に嬉しいです…!応援ありがとうございます。頑張ります! (2022年1月7日 20時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - 羽場さん» 羽場さんコメントありがとうございます!設定を気に入っていただけて嬉しいです。ゆっくりとですが更新していきますのでよろしくお願い致しますm(_ _)m (2022年1月7日 20時) (レス) @page34 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年7月12日 23時