愛から眺めて、向こう側を置いていく【RKRN】

11 さよなら皆勤賞、志望校A判定 ページ14

部活動に所属していない俺が読書感想文コンクールでの入賞以外で唯一、内申書の功績欄に書けそうだった皆勤賞の文字は無くなるかもしれない。

(こっちの時間と向こうの時間てそもそもズレがあるのか…？)

元の時代に帰ってみなきゃわからないのでまあそこは百歩譲って良いとしよう。



問題はやはり勉強だ。

俺はこの着ている学校の制服以外に何も持っていない。
500年前に俺が使ってるのと同じ教科書や参考書なんてあるはずがないのは歴然。


(…クソ、諦めるしかないのか…)


諦めるしかなかった。


(俺は特に模試に命を懸けてきたのに…さよなら志望校A判定…)






気を取り直して次の質問をしよう。





「それから…妖術って何をきっかけに発動するものなんですか？」




六人の天女様の話を聞いて、自分はその「妖術」とそれにかかる「忍たま」と向き合わなくてはならない。

認めるのには複雑な気持ちだが、俺は天女様らしいから。





「それは…ハッキリとしたことは分かっていない。先程説明したように、我々の天女様に関する記憶はかなり朧気になってしまっているからの」

「…そうですか」

「もしかしたら過去の天女様本人から、妖術がどういうものなのか伝えられていたかもしれぬが、忘れてしまっておる。
天女様自身で確認していただく必要がある」

「……分かりました」




いきなり難しいぞ。

俺はとにかく無事に早く帰るのが目的なわけであって、この忍術学園を崩壊させたいとか微塵も思っていない。
なんとなくこの学園のことが不憫だ。

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