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「でも、男子ならいるじゃない」
私達は今年は3年生。
部員の内、一人だけ男子がいる。
ひょろひょろとした女装が似合いそうな男の子だ。
「私より力の弱い奴は男子と呼ばない。男の娘だよ」
「まあ、私も力が弱かったら男の娘なのかしら」
「......結城は違うもん」
照れているのか拗ねたように口を尖らせる。
そんなこの子も可愛いらしい。
「長身だからって男役ばっかり嫌だなぁ」
確かにこの子は女子の中でも飛び抜けて高身長ね。
「楽しくないの?」
「楽しいよ。でも私だってドレスとか着たい」
「ウェディングドレスとかは?」
「結城が?」
「安藤ちゃんよ」
「……1度くらいなら」
「将来、私が安藤ちゃんにフラれなかったら
1番に着せてあげるわ」
「1番って嫌いじゃなかったの?」
「貴女の1番が部活で嫉妬してたのよ
告白だって演劇のセリフでしょ?」
「......嫌われると思った」
「確かに嫌だわ。
でも私の一番が安藤ちゃんだからいいのよ」
「また恥ずかしい事を平気で言う......」
「あら、安藤ちゃんは違うの?」
「......約束だからね」
「ええ」
「......」
「......」
「安藤ちゃん大好きよ、一番」
「もうお腹一杯です......」
___________________fin.
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