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【No.1〜30】 ページ20

最初が嫌いだった。

最初と言うか1番が嫌いなのだ。



放課後の図書館、私は読書していた。
短編の小説が5つ程入った本で丁度読み終わる。

作者のあとがきも読み終え、本から視線を外す。





扇風機の音、外の車や人の話し声が聴こえる。

窓の向こう側ではオレンジ色に上塗りされている。



扇風機の風を占領しながら、そろそろ帰ろうかと考えていた。



「暑いな」

ほら来た。
出席番号1番が沈黙に耐えきれなくて口を出した。




「別に少しだけよ」
ちょこっと素っ気ないのは反抗心から。

「なあ、帰らねぇ?」

「先に帰ればいいじゃない」

「なんだよ。まだ俺が告白されたの怒ってんの?」

「......」
図星である。
1番モテるコイツ、嫌いだ。

「んな事言ってもあっちから告ってくるんだぜ?」

「......」
小さなプライドに黙るしか出来ない私。
そんな私を気にしず腹が空いたとぼやいていた。

「結城、アイス奢るから帰ろ」

「ハーゲンね」

「まじかよ」






帰り道、私はハーゲンに夢中だった。チョコ味である。
食べながら歩いてるとアイツが口を開いた。


「出席番号って不思議じゃね?」

「急になによ」

「将来さ、苗字って変わっちゃう訳じゃん」

「まあそうね」

「結婚とか。嫁入りとか婿入りとか」

「そうね」

「俺、養子は嫌だな」

「そう」


「......話聞いて無ぇだろ」

「そうね」

「............」



「結城ってさ、けっこう俺の事好きだろ」

「そうね」

「俺的には安藤より結城の方がいいんだよ」

「そうね」

「なんか強そうだし」

「そうね」

「まだ聞いてないのかーい」

「そうね」

「はぁ......安藤ってありきたりだし」

「じゃあ、私が結城にしてあげようか?」

「......えっ」




「私の奥さんになってくれたらね」
私が微笑んで言うと彼女は嬉しそう目を大きくした。

「わかった。約束だかんね」

「でも、こんなオカマの何処が良いのかしら」

「そ、そりゃあ……器用で優しくて。か、格好いいし......す、好きだし」
さっきまで男らしい様子とは一変、頬を染め上げた。

「可愛い。
でも、今度の役のキャラ消えちゃったわよ」

「あっ……えっと、俺は……無理。

超モテモテ俺様系幼馴染み男子とか何!!?
演劇部に男子がいないからって




副部め、なんて台本作ってくれたの……」

「まあまあ、落ち着きなさいよ」

2...→←【計画】



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作者名:ゆりしー2号 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2015年2月6日 11時

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