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【流血】 ページ18
血。
血には色んな色がある。
無色。赤色。白色。
無色の血は私が初めて声を上げたとき、
初めて流した。
この時両親も同じ色の血を流してたらしい。
赤色の血は転んだら膝や肘から流れた。
初めて転んだからかその時の父の慌てっぷりはすごかったと母は言った。
父は昔から心配性だったようだ。
そんな父の心配を余所に私はヤンチャだった。
その分赤色の血を一杯流した。
大人になって赤色は流さなくなった。
それでも無色の血はよく流していた。
幼いときはクシャクシャな顔で流してたと父は言う。
仕事で失敗したとき
映画を観たとき
友達の失恋を聞いたとき
大好きな父が死んだとき
一杯、一杯無色の血は流れた。
大好きな彼と結ばれたときなんかは綺麗な顔で流してたと母は言っていた。
生きてる事を教える大声が聴こえる。
死ぬ訳じゃ無いのに、走馬灯みたいなのを見ていたようだ。
今、私は母になった。
「産まれてきてくれて......ありがと」
とっても小さな女の子に、大好きな彼と私は無色の血を流した。
なんて、可愛いのだろう。
白色の血を我が子に飲ませる。
きっとこの小さな子も血を流して大人になるのだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿fin
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