ゆりしーの気まぐれ小説＆日常 (ページ15)

今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:1,712 hit

2... ページ15

もしかして姉ちゃん寝てんのか？
確か勉強のし過ぎでやつれていた。

いや、黒魔術のせいかもしれない。

「姉ちゃん.....」
心配になってお札に手をかける。

バンッ!!!
するとドアが顔や体に激突してきた。

「うぶっ!?」
ブサイクな悲鳴。ドアと壁にぎゅうぎゅう押し込まれる。
ドアノブが丁度俺の大事な所に激突して魂が口から飛び出そう。

「あら、お札貼ってるの？」

「か、母さん.....おかえ.....ぐへっ」
母さんの声に命からがらおかえりを言う。母さんは天然なのか全く気付いちゃいない。

「たっくん駄目じゃないお姉ちゃんのでしょ？」

「そうだけど.....」
剥がされた。でもいいか母さん帰ってきたし。

「お姉ちゃんが帰ってこれなくなるじゃない」
お札を渡され渋々受け取る。姉ちゃんが良いって言ったのに。

「あ、シュークリームも買ったわ」

「わかった」
それから、すぐ姉ちゃんの部屋に向かう。

「姉ちゃん入るね」

「んー」
今度は返事が返ってきた。

「勉強まだ終わんない？」

「受験生だしね」

「少し位サボッてもいいじゃん」

「うっさい」
受験だからイライラしてるのか、普段からの性格からか......絶対後者だ。

姉ちゃんのベッドに座り溜め息をついた。
あまり帰ってこない姉の後ろ姿を見て思い出す。

「俺も同じとこ受けようかなって思ってるんだけど、どうかな？」
そう言えば姉ちゃんには言ってなかった。
まあ、どうせ馬鹿な俺が行ける訳ないと馬鹿にされるんだろう。

「いいんじゃない？」

「えっ」
振り返らない後ろ姿から意外な言葉を聴いた。

「あんたも私と同じ馬鹿なんだから頑張れよ」

「丸くなったな」

「呪うわよ」
意外過ぎる応援。人を呪う事が好きな姉が、
照れてるのか後ろ姿を見せる。

「母さんがシュークリーム買ったらしいよ」

「じゃあ置いといて」

「いいの？早くしないとストロー刺しちゃうよ」

「飲み物に？」

「シュークリームに」

「.....食べるから置いといて」

「ん」

「はい、姉ちゃん」
その仏教面どうにかなんないのか。
腹いせにシュークリームにストローを刺しておいた。

「姉ちゃんココアでいいよな？」
シュークリームの隣にコップを置く。

ズズッ
シュークリームが萎んで中のクリームが減っていく。
行儀悪る。