ゆりしーの気まぐれ小説＆日常 (ページ12)

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その日の放課後
裏庭に行くと.....木の下にあの子はいた。

「あ、先輩お待ちしていましたわ」
俺に気付くとふわりと優しく微笑んだ。

「え、えっとはい」
先程の機嫌とは違いまるで別人の様だ。
そしてなんとなく敬語を使ってしまっている。

「さっきは.....すみませんでした
あの子にはちゃんと言い聞かせましたから」

「えっと？」
どういうことだ。まるで自分が本人じゃないみたい。

「ああ、すみません。昨日告白されたでしょ？
私、その子の姉なんです」
首を少しかしげて苦笑を浮かべた。
信じられないが事実の様だ。

「はあ.....」

「それから、呼び出されましたよね
呼び出したのは下から二番目の妹なんです」

「顔そっくりですね.....姉妹で」
三姉妹.....しかも三つ子と言う事実に驚いた。

「噂は本当だったんだ」

「.....噂とは？」

「姉妹で顔が激似だって噂を聞いてんだ」

「姉妹.....まあ、そのようなものです。それより.....あの

えっと、その.....ちゃんと理解されましたか？」
急にモジモジして下を向いた。トイレに行きたいのかな？

「え、まあ」
そう言うと彼女は嬉しそうに頬を緩ませた。
トイレに行きたい訳じゃないらしい。

「では、お返事はもう少し考えくれませんか？」

「.....はい」

次の日、またあの子に会った。
それも丁度友人とあの子の話をしてた時。

「あのっ.....先輩おはようございます」

「ああ、おはよう」

「あ、えっと.....お話中でしたよね？
本当すみません！し、失礼しましました.....ッ」
真っ赤になりながら逃げていった。あいからず足が速い。

「結構イイコじゃん。断る要素なくね？爆発しろよ」
理不尽な悪口をスルーして返事のことを悩んでいた。

「んなこと言ってもなぁ」

「なんかあんのか？前に気になってるって言ってたじゃねぇか」

「そうだけど.....前話した時はあんなオドオドしてた子じゃなかった気が」
と言っても一回した会話なのだ。
落ちたプリントを拾ってあげただけなのだ。

「このチャンス逃していいのかよ」
おちょくる様に余裕を見せてくる友人。

「.....良くない」

「なんだって聞こえねぇな～？」
そっちこそ爆発すればいいのにこのリア充が。

「良くないよ！」

「じゃあ、スパッと爆発してこいよ」
高橋って１年５組らしいぜ、とニヤニヤ白い歯を見せた。

「わかった」
爆発するか分かんないけど。