第25輪 ページ26
そして、任務当日。
何故か谷崎さんが会場まで送ってくれた。
『ありがとうございます、谷崎さん!』
頑張ってね、と言って車を飛ばしていった。
会場の方を振り向くと、
こりゃ、ご立派な屋敷ですこと
どう見ても金持ちの集まりがありそうな屋敷だった。
さて、そんな中に私がいていいのだろうか。
入口の前に敦くんが立っていた。
敦くんの方へ駆け寄った。
『ごめんね、敦くん!待った?』
「…っ!い、いや、大丈夫だよ?僕もさっき来たとこだったから」
何故か最初、敦くんは固まっていた。
まあ、こんな立派な屋敷に入るからしょうがないよね
「(ダメだ。めっちゃ可愛い)」
敦くんは何かを考えているようだった。
『?…敦くん?』
名前を呼ぶと敦くんは我に返った
「ご、ごめんね!行こっか」
敦くんは私の手をスっと引いて入口までエスコートしてくれた。
なんだ、敦くん。いつもよりとてもカッコイイではないか。
探偵社の東西ヘタレの片方だとはとても思えない
そんな事を考えてたら、フッと笑ってしまった
「え、なんか、おかしかった!?」
いつものオロオロした様子になってしまった
可愛いすぎか、このやろー。
『そうじゃないの。いつもの敦くんと少し違うな〜って』
「そんなに振る舞い変だった!?」
『じゃなくて、いつもより…カッコイイよ』
後半は恥ずかしくて小さい声になってしまった
普段あまり言わない言葉だから照れるのよ
「え?ごめん、後半聞こえなかった、もう1回言って」
敦くん、それはわざと聞いてるのかね?
『へへ、ナイショ♪』
私は敦くんより先にホールに向かった
取り残された敦くんが
「聞こえてるよ、ちゃんと」
と、言ったことをAは知らない。
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作者名:ゆきれあ | 作成日時:2017年2月23日 22時