5話 ページ7
貴方目線
小樽の町並みから一変、雪で白くなった木々に囲まれた場所に辿り着く
流石にここまで来ないことを願いたい
杉元:…なぁ、なんで第七師団の所にいたんだよ
後ろから低い声で杉元に問われる
昼間の事だろう
杉元:俺の目的を言ったのか?
裏切ったのか?
恐らく私は第七師団の仲間だと思ってるかもしれない
ここは誤解されないために、正直に答えよう
A:落とし物をしたんだよ
君と会う前に鶴見中尉のところに挨拶しに行ってたから
杉元:挨拶?
俺に会う前に鶴見中尉と会ってたのかよ
A:中尉のところに嫁ぐ予定の妹の代わりに挨拶しにだよ
その時に財布を落とした
言っとくけど、昼間君から聞いた入れ墨の話のことは本当に何も知らない
渡航証明書を見たいと思うなら見ても良い
杉元:……………
私の話を聞いた杉元は黙りだった
帽子のせいか、顔色が伺えない
この状態の杉元に対して私は日露戦争から恐怖感を持っている
A:…君を敵に回そうとは思ってない
敵わないと思ってるから
杉元:…そうかよ
A:…けど信じてほしい
軍とは無関係だ
杉元:………
A:…このまま進めば良いのか?
杉元:そろそろ見えてくるはずだけど…あ、あれだ
A:わかった、止まるぞ
目的の場所についた為、疾風と杉元が乗る軍馬を止める
疾風から降り、辺りを見渡す
月明かりが辺りを照らし始めると付近の状況が明確になる
目線の先にはまだ葉のついた枝で出来たテントのような建物と、その付近にアイヌの着物を着た10くらい?の少女が立っていた
A:言ってた知り合いってあのアイヌの少女の事か?
杉元:そう、なんだけど…
変に目線を泳がせる杉元
一体どうしたのだろうかと2人の様子を眺める
杉元:…………格好つけて出て行ったのに…助けられちまった
ざまぁ無い
バキッ！
杉元:ギャーーーーッ!!!
木の棒による殴打音と杉元の悲鳴が山に響き渡った
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見守るセミ - え待って尊い。1日で読んでしもた。あ、どうも名乗り遅れました、見守るセミです。腐も夢も大好物です。推しは、杉元ニシパ、尾形ニシパ、月島ニシパ、宇佐美ニシパでござんす。無理せず楽しんで作成して下さい、更新お待ちしております。ｱﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ (4月27日 19時) (
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作者名：華蓮 | 作成日時：2024年1月24日 17時
