25話 過去夏祭りの出来事2 ページ25
ドアを蹴っても開かない。
窓は遥か上、足場を作ってよじ登り窓に手をかけるが錆びついていて開かない。
20センチほどの高さの窓でそこから脱出することは不可能だ。
「……男の嫉妬は怖いね〜」
とりあえず持ってきた飲み物で喉を潤す二人。
「巻き添えにしたな。わりーぃ」
「潤ちゃんは悪くないよ。こういう事をする頭の悪い奴がいけないの」
ポタリと和也の額から汗が零れ落ちた。
潤も体中に汗をかき始めている。
小さな窓から太陽の光が入って少しずつだが室内の温度が上がっていた。
換気できるモノは見当たらない。
「……しかし潤ちゃんの携帯も電波が無いってことが誤算でしたね〜」
「だな……助けを呼べずだな……」
「窓……割れないかな……」
ペットボトルの水がどんどん無くなっていく。
鉄パイプを見つけて窓へよじ登る。
片手で窓の淵に掴まり、もう片方で窓を割ろうするも体制が悪すぎて力が入らない。
「割れない……駄目か」
力尽きて降りてきた潤。
和也がぐったり横になっていた。
「かず！」
「……あちぃ……これ熱中症になっちゃうパターンかな……」
潤は和也の喉の辺りにペットボトルを当てて少しでも体温を下げようとする。
「潤ちゃんも冷やして？」
閉じ込められたままであれば二人とも熱中症、もしくは脱水症状は免れない。
潤も意識が朦朧として、気が付いたら体は横になっていた。
「あち……ぃ」
二人を閉じ込めて上機嫌のタケルと孝太。
お神輿づくりをサボって出店の方へやってきた。
二人ははしゃいでいる。
近くに智たちがいるとは思わずに大きな声で潤たちを閉じ込めた事を笑いながら話した。
金魚スクイを売っていた智の顔が無表情になる。
焼きそばを焼いていた雅紀の笑顔も消えた。
ジュースを売っていた翔が真顔に。
雅紀が一番先に動いた。
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むつき(プロフ) - はじめまして。探してコメントを頂きとても嬉しいです。続Homeも始めました。お時間のある時に覗いてやってください。コメント嬉しいです。ありがとうございます。 (2014年11月23日 21時) (
レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
あやち(プロフ) - はじめまして。HOME読ませて頂きました。以前読ませて頂いたのですが、保存等を行っておらず、お礼を伝えることが出来ませんでしたが、やっと見つけた!!読ませて頂いた時、涙が止まらなかったです。兄弟って素敵だなって思いました、素敵な作品ありがとうございました (2014年11月23日 18時) (レス) id: 6dc0a1d5bc (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 翠さん» 翠さん。涙には心をキレイにする作用があるらしいです。いっぱい泣けるようにいいですよね。今日は次男さんのお誕生日ですね。っと言うことで大量更新します！ (2013年1月25日 21時) (レス) id: 75d4746b37 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 翠さん» 翠さん、コメントありがとうです。兄弟たちに支えられる絆が表現できたらと奮闘中です。 (2013年1月25日 19時) (レス) id: 75d4746b37 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - アリスさん» アリスさん、私のほうがいつもお話を読ませていただいて号泣させて頂いています。つらい過去もみんなと共であれば前に進める、そんな話を書きたいと日々精進中です！ (2013年1月23日 18時) (レス) id: 75d4746b37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2012年12月30日 17時
