【文スト】文豪さん、反応記録帳。十三冊目

＊敵の貴女が彼の攻撃を無表情でずっと避けるだけで一向に攻撃をしてこなかった ページ3

「...」


中島敦
「...ｯ何で、」
途中から違和感を感じ始める彼。
如何して攻撃してこないのか、切れる息を整えながら考える。
決着が着いた後も彼の違和感は晴れないまま、貴女のことばかり考えている。


太宰治
「私は無抵抗の人間を嬲る、良い趣味は持っていないのだよ」
如何にか交渉でいけると踏んだ彼が、ニコッと笑って両手を掲げる。
「少し私と世間話でもしようか」


国木田独歩
「...おい、貴様何故攻撃してこない」
その質問に真顔で黙ったままの貴女に、眉を顰める。
「(後味が悪い、)」
攻撃の手を止め、じっと貴女の真意を探ろうと考える彼。
無抵抗の人間を相手にしたくない、と葛藤する。


福沢諭吉
「......」
振るった刀が華麗に避けられ、振り向き貴女の表情を確認する彼。
「(...何故だ、何も感じないのか)」
何処か不安になる。


江戸川乱歩
「君の境遇は知ってる」
突然告げられた言葉に、ぴたりと動きを止める貴女。
「君が避けるだけで攻撃してこない理由も、ずっと無表情な理由も」
翠色の瞳に縫い止められて、静かに呼吸をする。


綾辻行人
「俺の眼前の殺人者には＿死は平等に訪れる」
避けても無駄だと判らない様だな、と云う彼には貴女が如何して攻撃してこないのかが判らない。
「...君も、中々哀しい人生を送ってきた様だ」
貴女の頭上のシャンデリアが、不快な音をたて始める。

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