【文スト】文豪さん、反応記録帳。六冊目

＊虐待を受けていた兄妹で幼児化し兄が「自分はどうなっても良いが妹は傷つけないでくれ」と云った ページ47

「自分はどうなっても良い！！…だから、妹は傷つけないでくれ」


中島敦
「ちょ、一寸待ってください」
暴力なんて…と云いかけた所で、はっと口を噤む。
この子達にどんな過去があるのか、それをよく知らないままで無責任に言葉を掛けるのは、と頭を巡らせる。
「いきなり僕を信用しろなんて、難しいよね」
目線を合わせて、なるべく優しく伝える。


太宰治
「いいや、君も守られるべきだ」
その言葉に兄が顔を上げる。
記憶まで過去に戻っていると察し、話を合わせる彼。
「世の中には、悪い大人と同じ位、君たちを助けてくれる大人が沢山いる」


国木田独歩
「…自分たちは誰に、怪我をさせられている」
成る可く威圧を出さないように、極限まで優しい声で問いかける。
「良いか、暴力を振るわれていい子供なんていない」
虐待なんて言語道断、あらゆる手段で相手を懲らしめる。


福沢諭吉
「…貴君らを絶対に傷つけないと、約束しよう」
と、云って小指を差し出す。
おずおずと構える兄の小指に自身のを優しく絡める彼。
「必ずだ、」
元に戻った兄弟にも若干過保護になる。


江戸川乱歩
「今は解決してたのか、無理やり忘れてたのか、」
怯える二人を見つめて、ぱっと良い事を思い浮かぶ。
「君たち、お菓子好きでしょ？お兄ちゃん、たくさん持ってるよ」
徐々に警戒を解いていく兄弟。


綾辻行人
「困った」
…子供の相手は苦手だ、と頭を悩ませる。
しかも、大人を警戒しているときた。
「…ここは、日本の偉い人が守ってくれる場所だ」
彼なりに言葉をとても崩して、安全な場所だと云う事を伝える。

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