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「俺もい〜れ〜て」
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時刻は4時半。
靴紐を1度解いて結び直すためにしゃがんだ所へ、寝癖がついたままの虎杖が歩いてくる。
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「え、知ってたの？」
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周りの人に追いつく為と、１ヶ月以上も前から早朝に山の麓まで往復していた。
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「いんや、いつも朝シャキッとしてるから、なんかしてんのかな〜って、」
「外出てみたら、ビンゴ！」
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暗い外でも分かる笑顔を浮かべる虎杖は、よく見ると寝巻きっぽいダサい謎のTシャツだった。
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「それに、前より息切れ始まるの遅くなってるし」
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「ｯ…はぁ、ｯはぁ」
速 す ぎ る 。
流石は50mを3秒で走る男と言うべきか、私も必死で追いつく為にいつもよりペースを上げざるを得なかった。
「朝から走んの結構気持ちーんだな！」
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虎杖と会った時よりも少し明度が上がった空を横目に、校門を背にしゃがんだ。
「ｯ…虎杖と、走ったら…いつもより、なんか疲れる」
息も絶え絶えに言うと、虎杖は隣に腰掛けてまた笑顔を浮かべた。
「ということは、効果がもっと期待出来るじゃん」
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それから、他愛の無い話を続け、徐々に瞼が重くなってくる。
いつもは、目が覚めてるのに、
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「眠いなら、寝ていいよ？」
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「こんなとこで寝ちゃ確実に、1時間目遅れるよ、」
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「大丈夫！俺が起こしたげるし、起きなかったら運んで上げるから、な？」
大きくて暖かい手に頭を撫でられ、知らぬ間に夢の世界へと落ちていった。
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『そう、あー、っと…虎杖悠仁』
『宿儺の指を20本取り込んだ時点で
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彼は処刑される』
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『そうだよ、死んじゃう』
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誰かに叩き起されたような感覚で目が覚めるも、隣の彼が起こした雰囲気は無かった。
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起こすって言ったのに、
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＿＿＿ぼんやりとした視界の所為か、
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高くなった陽が作り出した屋根の影の所為か、
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虎杖が泣いているのか、寝ているのかさえ
分からなかった。
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作者名：もちのあじ | 作成日時：2021年2月7日 23時
