リクエスト×【文スト】文豪さん、反応記録帳。十四冊目

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「......良かっ、た...」


芥川龍之介
「(太宰さんは想われている)」
扉の前でバレないように踵をかえすと、そのまま仕事場へ戻る。
後から戻ってきた貴女には、さっきの事が悟られないよういつも通りを装う彼。


中原中也
「どーしたんだ、泣き虫お嬢さんよ」
座り込んでいた貴女の背後から、頭を覗き込む様に声をかける彼。
「(太宰の野郎の所為で泣いてんのか)」
その事実にほんの少し嫉妬の感情を滲ませる。


森鴎外
「困った兄を持つ妹は大変だね」
突然頭に感じた重みに顔を上げると、彼が眉を下げながら笑っていた。
「太宰君も、可愛い女性を泣かすなんて罪な男だよ」


坂口安吾
「(太宰君が見たら、どうするんでしょうか)」
ポケットに入っているハンカチに手を伸ばしかけて、止まる彼。
「お節介、ですかね」
今度はしっかりとハンカチを掴んで、貴女へ歩き出す。


フョードル・ドストエフスキー
「そんなに彼の事が心配ですか？」
突然耳元で聞こえた彼の低い声に、びくっと肩を揺らす貴女。
「嗚呼、すみません。驚かせる心算は無かったんです」
貼り付けたような彼の笑顔が浮かんで、振り返る事が出来ない。


条野採菊
「腹が立ちますね」
...？と頭に疑問符を浮かべて顔を上げると、苛立った表情をした彼が前に座っていた。
「彼の存在がここまで貴女を動かしている事がですよ」
意味が判っていなさそうな貴女に、呆れながらハンカチを出す彼。


末広鐵腸
「嗚呼、そうだな」
貴女の頭に軍帽を被せて、そっと抱きしめる。
「(兄を想う妹は、こんなにも苦しむものなのか？)」
そう口に出したかったが、貴女の傷を余計抉るような気がして、はばかられた彼。

＊誰も居ない所で自分の頭を撫でながら、大丈夫、大丈夫、と呟いていた→←続き→貴女が安心して、こっそり泣いている所を見た

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