リクエスト×【文スト】文豪さん、反応記録帳。十四冊目

＊貴女が第三極のボスだった ページ24

「私たちの思想は、きっと貴方には理解できない」


中島敦
「…話、…話をしましょう」
俯き口を閉ざした貴女を見て、かつて上司に云われた”対話無くして前進無し”の言葉を思い出す彼。
「上手く共存していく方法が見つかるかもしれません」
一寸ずつかもしれないけど…と苦笑いをしながら、メモ帳を開く彼。


太宰治
「嗚呼、きっとね。私が出来るのは、精々判ったふりをするだけだ」
じゃあ、何で＿と開きかけた口を噤む貴女。
「ふふ、…何でだろうね？」
優しく微笑む彼に、認めたくなかった事実に気づいてしまう。


国木田独歩
「敵対組織ということになるからな」
眼鏡のレンズの奥で、視線が貴女を隔てる机の上を滑る。
「例え理解する事は出来ても、賛同する事はできん」
＿＿お前が此方に居れば、
言葉に出来なかった言葉を、バレない様に飲み込む彼。


福沢諭吉
「薄々、勘づいては居たが…」
目の前の貴女が瞳に宿しているのは、揺らぐ事の無い固い意思の炎。
「頼む、市民の命を傷つける事はしないでくれ」
そうなれば、自分は組織の長として貴女を追い詰めなければならないから。


江戸川乱歩
「本当は理解して欲しいくせに」
彼の一言に返す言葉も無く、黙ったまま貴女。
「その様子じゃ、図星だね」
キャンディーを片手に笑った彼に、もういっその事全部話してしまおうか、と揺らぐ。


綾辻行人
「まぁそう云うな」
話してみろ、と云わんばかりの沈黙に我慢出来ず、口を開く貴女。
真剣に話を聞く彼に何だか擽ったくなった貴女が、誤魔化す様に笑うと、じっと貴女を見つめ返す。

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