【文スト】文豪さん、反応記録帳。七冊目

＊彼が花吐き病を隠していた ページ13

「…大丈夫…きっと大丈夫だから」


中島敦
「僕…」
貴女に抱き締められて為す術なく、身体を預ける彼。
キツく抱き締めてみれば、またポロポロと花を吐き出す。
「…貴女の事がずっと、」


太宰治
「…はは、みっともないったらありゃしない」
自虐的に笑う彼。
「ずっと、隠しておくつもりだったんだけどね」
＿どうにもこうにも君の事が好きみたいだ。
いつか真っ直ぐ伝えられるように。


国木田独歩
「…近づくな」
貴女が花に触れて感染してしまうことを、一番に恐れる。
その言葉を無視して、抱き締めた貴女を何度も引き剥がそうとするが、口から花が零れ落ちる。


福沢諭吉
「…これは、一生治る事は無い」
貴女にこの想いを告げない限り、死ぬまで花を吐き続けるつもりの彼。
貴女の浮かべる心配そうな顔がより一層、彼の心を痛める。


江戸川乱歩
「可哀想とか、思わないでよ」
泣きそうな貴女を見て、そう強がる。
被っていた帽子をぐっと深く被り直すと、ラムネのビー玉が瓶の中で揺れる。
＿可哀想な顔をしてるのは君の方だろ


綾辻行人
「驚いたか、先日辻村君に教わった手品だ」
そんな彼の言葉を全く信じようとしない貴女。
「…やれやれ」
呆れ混じりに溜息をつく彼。
「そんな目で見られると、調子が狂う」

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