愛と呪いは紙一重【乙骨憂太】

30 ページ32

悟「なんとも感動的だね〜。」

貴女「よく言うよ。」

悟「酷いなぁー。僕だって感動する時くらいあるよ。」
　
貴女「悟だって辛かったくせに、無理しなくてもいいんじゃない？最強様だって人間でしょ。」

悟「本当、あの日拾った幼女がこんなにたくましくなるなんてね。お父さんは嬉しいよ。」

貴女「悟が父親なんて苦労するから嫌。」

悟「そこまで言われると地味に傷つくなぁ。」

貴女「泣いてもいいよ。」

悟「本当に泣いちゃうよ？」

貴女「偶にはいいんじゃない？」

悟の腕がゆっくりと私に回る。

悟「夏油傑が…傑が死んだんだ…。僕が…。」

貴女「わかってる。悟の判断は間違ってない。守りたい物は人それぞれだよ。」

顔は見えないけど多分泣いてる。服が濡れていく感覚がする。

悟「…優しくしないでよ…。余計泣いちゃうじゃん…。」

貴女「私や憂太は悟に拾われてよかったと思ってる。あのままだったら、感情が死んでいたかもしれない。」

悟「……。そうやって……、ほしい言葉をくれる……なんでわかるんだよってくらいに……。」

貴女「悟、ありがとう。」



私を拾ってくれて




支えてくれて





憂太を助けてくれて








傑さん……





最後のお別れくらいさせて欲しかったよ





あの頃の貴方は優しくて




優しすぎて



強くて



守ってくれて



押さない私の手を引いてくれた。




短い時間だったけど、



傑さんと硝子さんと悟と一緒にいられて楽しかったよ。





ありがとう傑さん






そして





さようなら

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す