雄英へ �� ページ6
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何故か、ずっと隣を歩いている。本当に行き先が同じなのかもしれないが、どうにも他人が近くにいる事に慣れない。居心地の悪さを感じながら、じりじりと距離を広げる。モサモサ君は僕の事を気にした様子は無く、真剣な顔で前を見ていた。……緊張している様な顔つきだ。1人で意識して、恥ずかしい。小さく溜め息を吐く。
雄英の門を前に、2人して感嘆の息を漏らす。ハモってしまったと慌てて口を噤むが、モサモサ君は気がついた様で照れ笑いを浮かべた。……可愛らしい子だなぁ。結局モサモサ君も雄英志望か。何の悪意も作為も無い笑顔を向けられたのは久しぶりで、少し温かい気持ちになる。
純粋そうな彼も、同じ中学だったらきっと。僕を無視していただろうな、なんて考えてしまう僕は、どうしようもなく性格が悪い。
実技試験はロボットを倒してポイントを稼ぐ、何処かRPGじみたものだった。沢山の人間が密集して聞くプレゼント・マイクの説明は、人間の圧に気を取られ集中出来ない。なんとかポイント制である事、取り敢えずロボを倒せばいい事、そしてお邪魔ギミックが存在する事を頭に入れ、自分の演習場方面へと脚を運んだ。
何かをしていれば気が紛れる。何かに集中すれば他は何も考えなくていい。今は、兎に角ポイントを稼ぐ事だけを頭に入れて。スタートの合図と共に走り出し、出てくるロボに水の弾丸を撃ちまくる。1、3……7、10、14……20！ポイントを数えながら必死に頭と身体を酷使する。少し遅れてやってきた他の生徒達も次々とロボを倒していく。皆強い……！
焦る気持ちを抑え再び目の前のロボへ集中する。やらなければ。"此処で出来なければヒーローになどなれない。"のだ。
獲得ポイント50を過ぎたところで、突然大きな地響きがした。己の上に影がかかり、恐る恐る上を見上げれば巨大な0ポイントロボ。腰が抜ける寸前であったが、周りが悲鳴をあげて逃げるのに続き慌てて逃げ出そうと脚を動かした。
｢いっ、たぁ……｣
微かな声に振り返れば、茶髪の女の子が瓦礫に脚を挟まれ動けなくなっている。やばい。このままではあの子がロボの下敷きになる。恐怖で竦む脚を彼女の方へと向け、走り出す。その瞬間、何かが視界の端を横切った。
｢っ、ーーー…！｣
それはモサモサ頭の彼で。凄まじい跳躍力でロボの天辺付近まで飛んだ彼は、また凄まじい力でロボを殴った。ぐしゃりとロボが破壊され、ゆっくりと倒れていく。
僕はこの時、初めてヒーローに感動した。
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ゆきねこ。(プロフ) - 過眠さん» なんと…！！ありがとうございます！！頑張りますのてこれからもよろしくお願いします(>_<) (2018年7月4日 7時) (
レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - ウホォ…大好きです(唐突な告白)長文とか読むの苦手なんですけど、この作品は内容がすごく好きなのでどんどん読んでいけます！！更新頑張ってください！！ (2018年7月4日 0時) (レス) id: 0e313d130c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - moeさん» わぁぁぁぁありがとうございます……！！！頑張ります！！！ (2018年6月27日 17時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、本当に大好きです！夢主の心境の描写だったり、そういうものが本当にうまいなあとそこにも感動しました！応援してますね！ (2018年6月27日 16時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - リコさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年4月23日 8時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月26日 23時
