HappyHalloween �� ページ26
.
｢……あﾞ？｣
やや間を置いて、断られたと理解した爆豪は低く唸った。吸血鬼はそんな爆豪を飄々とした表情で見つめるだけだ。流石は冷徹な吸血鬼サマ。人間なんか助けるに値しないってか。まだ助けることに繋がるとも言っていないのに、なぜだか全部を否定された気持ちになった爆豪は心の中で悪態をつく。
吸血鬼は魔素の蓄積量が他の魔族に比べケタ違いに多い。人狼である爆豪も決して少なくは無いが、吸血鬼は吸血する際相手に魔素を流し込み、延命させたり若返らせたりと、己が好きに出来るのだ。勿論、吸血鬼の中でも上位の者は不老不死にさせることも出来る。そうする事で、番った人間をずっと傍に置いておけるのだ。
爆豪の面倒な拾い物は、人間で言う16くらいの……少年だった。恐らく奴 隷だったのだろう、中途半端に切れた鎖を下げた手枷と足枷が嵌められたまま逃げてきた様だ。爆豪が見つけた時には既にボロボロで、今も尚命の灯火が掻き消えようとしている。そんな少年は今、爆豪の住処で寝かされてインキュバスの上鳴が看てくれていた。
そう、何故ここまでしているのかは本人にもよく分からないが、彼を見殺しにするのは爆豪の行動理念に逆らう様な違和感を覚えたのだ。手近な切島や上鳴、ミイラ男の瀬呂にも頼ったがどいつもこいつも使えない。そこまでの知識も無ければ、死にかけた他人を復活させる程の魔素も無いのだ。泣く泣く知識豊富で大嫌いな幼馴染を頼れば、轟くんなら何とかできるかも、と吸血鬼の詳細を教えて貰えた。
それで遥々やってきたのに。人間の血を好むというから、助けてやってくれ、では無く血を吸ってくれ、と言ったのに。爆豪はキレかける己をなんとか押し留め、未だ早く帰れと言いたげな目線を送ってくる紅白頭を睨めつけた。
｢デ……緑谷からの紹介だ。まず話を聞きやがれ。｣
｢緑谷……？何で……｣
幼馴染……緑谷の名前を出した途端、紅白頭は冷たい雰囲気を僅かに和らげ、きょとりとした目を爆豪に向けた。そのあどけない表情に爆豪も少し驚いた。吸血鬼でもこんな表情が出来るのか。
｢俺の家に今、死にかけの人間が居る。そいつの血を吸ってくれっつー話だ。｣
｢……緑谷は何考えてんだ。俺は、生きてる人間の血は吸わない。｣
｢…はぁ？てめぇ吸血鬼だろが。吸えや！｣
頑なに首を縦に振らない紅白頭にイライラを募らせる。爆豪とて急いでいるのだ。こんな形で足止めを食らうとは思っていなかった。焦りがイライラを助長させる。
.
HappyHalloween ��→←HappyHalloween ※ハロウィンパロ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきねこ。(プロフ) - 音兄Love!@鈴音さん» 嬉しいです！！！エンデパパはほんとに優しい……すれ違いがなくなったらいいのにと思います (2019年1月18日 12時) (
レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
音兄Love!@鈴音(プロフ) - ハロウィンとても好きです…!!!設定が好き…エンデパッパ結局優しいんですよね…あとかっちゃん優しくてしんどい…… (2018年11月1日 21時) (レス) id: a8cf11cd3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - シロさん» ありがとうございます(´ ; ω ; ｀) (2018年2月14日 23時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 好きです (2018年2月14日 23時) (レス) id: 55b0e9cf98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月14日 13時
