八夜 ページ8
この状況に救いを求めるように志麻さんの方を見るも、彼はこちらのことなど気にも留めない様子で煙管をふかしていた。
(ちょっと、貴方も張本人の1人なんだからどうにかしてくださいよ…。)
そんな意味を込めて彼に視線を送るもこちらに背を向けていて気付く様子はない。
(人にあんなことしておいて無責任な…！！)
志麻さんは宛に出来ないと察した私は話題を変えて和ませようと出来るだけ明るく浦田さんに話しかける。
「う、浦田さん」
「志麻くんと何してたの？」
しかしその言葉は遮られ、再三聞かれた質問をされる。
「えーっと…」
浦田さんはその現場を少しは見ていて何をしていたかなど分かっているはずなのに私に言わせようとする。
しかし自分で説明するのも恥ずかしいし、彼の逆鱗に触れるようなことを口走りそうで怖い。
そう不安に思って答えるのを躊躇っていると、さっきまでこちらの会話には全く反応していなかった志麻さんが軽い口調で言葉を発した。
「押し倒してちょっと舌入れただけやで。」
「なっ、何言ってるんですか…！」
「事実やん。」
(いやそうですけど…もっと言葉選びというものがあるでしょう…？！)
志麻さんの何ともないようなのほほんとした一言でまたもや空気が重くなったのが分かる。
(というか舌入れるのはちょっとじゃないですから！！)
精一杯の怒りを込めて彼を睨んでみるも、反省した様子はない。
これで完全に浦田さんの追求から逃れられないと絶望する。
当の浦田さんの方からは黒いオーラが漂っていて、顔を見ることが出来ない。
恐らく悪魔で浦田さんの名代としてきた志麻さんと口付けをしてしまったのがいけなかったのだと思う。
図書館で読んだ例の本には1度敵娼を決めれば他の娼妓と交わることは遊郭のご法度らしい。
私はそのご法度に抵触することをしてしまったわけだ。
言い訳がましくなってしまうのは承知の上だが、私から決して持ちかけたわけでも合意な訳でもない。全ての責任を志麻さんに押し付けるつもりは無いが、そこは誤解ししたままでいて欲しくない、と思う。
告げようか告げまいか悩んで浦田さんの顔を盗み見る。
「あの…浦田さん、怒ってます？」
「怒ってる、というか嫉妬した。」
「は、」
ほんのり顔を赤く染めてふくれっ面でいう浦田さんに想定外な言葉が返ってきてぽかんとする。
「嫉妬って…」
何に？誰に？
「だから俺今凄く機嫌悪いの。」
「いや、それは見たら分かりますけど…」
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月30日 9時) (
レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - すいさん» すいさん、読了とコメント、ありがとうございます〜！更新は不定期ですが、皆様のご期待に応えられるようコツコツ頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします^ ^ (2022年10月13日 0時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
すい - 一気読みさせていただきました〜！！めちゃくちゃ面白いです！！続きお待ちしてます！！ (2022年9月18日 0時) (レス) @page6 id: 7c45a007b1 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - がむしろさん» ありがとうございます！とても励みになります！これからも応援よろしくお願いします(^^♪ (2022年5月28日 15時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - 翔さん» いつもお読み頂きありがとうございます！更新コツコツ頑張りますねι(｀･-･´)/ (2022年5月28日 15時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍瑠 | 作成日時：2020年5月9日 10時
