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No.6 ページ6

誰ぞに贈るんかな…

 

ほら小瀧にも贈り物をするような女性がおるやんか

 

私は特別ちゃう

 

 

少し痛んだ胸には気付かないふりをした

 



そんな事を考えていると

 



「ほら、シゲ落とさんように持ちや」

 

 

私の手の中へ戻ってくる紅


 
小瀧が女の人に贈るものを私が一緒に選んで、それを私に持つように言うなんか…


 

「自分で持ちや何で私が持たなあかんねん…」

 


少しだけ不機嫌な声色になってしまう

 

 

「シゲの紅やから自分で持ちや」



「私の…?」



「そやでさっきも言ったやろ
シゲは綺麗なんやから何もせんのは勿体ないって
やからこの紅を使ってや」

 

「貰われへんよ…私、小瀧に何もしてへんのに」

 

 

慌てて手の中の紅を返そうとするが受け取っては貰えない

 

 

「女は男に贈り物されとけばええんやで
それにいつも朝ごはん作ってもろてるお礼や
それでも申し訳ないって思うなら、今度はその紅を纏ったシゲと出かけてや
二人だけでな…」

 

「うん…ありがとう…小瀧」



「望…言うてや」

 

 

少しだけ真剣な瞳で見つめられ


真剣な声色で懇願され

 
 

胸が音を立てた

 

 

それを誤魔化すようにクルリと向きを変えて歩き出す

 

 

「………遅なるから帰ろうや」



「シゲ〜置いてかんといてや〜」

 

 

なんていつもの口調に戻った小瀧が後を追ってくる

 

 

ほんまに苦手や

 

女の子として扱われるのも

 

 

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作者名:ルナ | 作成日時:2021年2月7日 14時

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