格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.49 ページ46

『濱田様、本日はありがとうございます

まだまだ、未熟者の緑翠のお相手を務めていただけるだなんて

この子も果報者です』

 

 

「ハハ…

堅い挨拶はそのくらいにして

まずは楽しもうや

なぁ、緑翠…

お前の美しさに…

その何か内に秘めているような美麗さに俺は惹かれたんやで」

 

 
 

あぁ…またや

 

笑顔なはずなのに

この見透かされるような目と

 

言葉

 

 


俺の中にいる流星を

キラキラとした大切な思いを

 


無作法に開かれている感覚になってしまう

 

 

 
「濱田様…身に余るお言葉嬉しゅう思います

どうぞよろしゅう、お願い申します」

 


 

そのまま畳に手を付き

深々と頭を下げる




 

「さぁ、まずは舞を見せておくれ

俺の為に舞う姿をな

約束やったよな…」

 

 

真っ直ぐ見つめられる瞳にこの前の濱田様の言葉が頭に過る

 

 

『また、披露しておくれな

今度は、ここにはおらん、別の誰かを思ってやなくてな…』

 

 
 

俺は、ただ静かに頷くことしか出来なかった

 

 

 

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