柱最強の女_第9章

−５２６−手紙_不死川実弥 ページ26

※手紙の始まりは皆同じになります

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不死川 実弥 殿




この手紙を読んでいるという事はきっと


私はこの世に、皆の元に居ないと言う事だね


まず初めに、君達を置いて逝ってしまうのを


どうか許して欲しい


不死川と初めて会った時、第一印象は最悪で


よくこんな知性も理性も無い奴が鬼殺隊で


ましてや柱になるなんてと思った


けど君の本音を聞いて、どれだけ君が不器用で


どれだけ玄弥を大切にしているか分かった


知ってたか？私がたまに君の屋敷に訪れた時


必ず持って行ったお萩は玄弥が作ったやつだったんだ


君は懐かしい味がするって優しく笑ってたんだよ


その時の不死川は鬼殺隊なんて関係なく


本当に優しい兄の顔だった


君が大切な友人だった仲間を亡くし


それから死ぬほど鍛錬をして強くなったのを


私はちゃんと知っている


君のような影で努力をする人は冨岡くんだけだと


勝手に思っていたから、正直意外だったよ(笑)


もっと君と手合わせがしたかったなぁ…


こんな不甲斐ない私を柱最強として認めてくれて


嬉しかった、ありがとう


もう玄弥と喧嘩なんかするなよ、絶対幸せになれ


君は幸せになるべき人だから


君と出会えて、仲間になれて良かった


本当にありがとう





無常 A








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手紙を読み終わった不死川の目からは


ボロボロと涙が零れる


グシャッと手紙を胸の前で抱きしめた









実弥「ｯ…お前…が、欠けてェｯ…どうすんだよ…バカがっ…」









不死川は振り絞るように言葉を吐いた



フワリと風が吹く






A「泣き虫め」＿






とからかうように聞こえた声



驚いた不死川は顔をあげるが



外では風に吹かれてユラユラと揺れる桜









実弥「ハッ…テメェの分まで生きてやらァｯ」









不死川はまた手紙を強く抱きしめた

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