【d!】距離感がバグっているメイドさんの話【sha】 (ページ4)

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「時給、約5000は行くと思うんやけど…」

そんな言葉をボソッと呟いたお姉さんに、ダメだとわかっていても思わず耳がピクリと動いてしまう。

ご、5000っ…！？で、でも…、ここには、私の仕事だってあるし急に辞めたら…

「男性恐怖症ってここの幹部に聞いたんやけど、専属メイドになって他の奴と会わんほうが都合よくない？」

確かに…お姉さんの元であれば、毎日幹部様に会うのではないかというハラハラした気持ちは収まるかもしれない。

なんて思っていれば、さっきから説得力ある言葉しか言わないこの通りすがりのお姉さんに断りを入れることが出来ない。

「どう？Aちゃん」

そして最終、手を取られて、指を絡められる。うっ…お姉さんがかっこよすぎる…。
こんなお姉さんの所でなら、専属メイドし、しても……

さっきから自分はお姉さんに揺らぎっぱなしで、それに私はきっと顔が赤い。

「ぁっ、ぁぁ、あのっ！雇ってくださった方に取り敢えずお聞きしてきますので、お時間よろしいでしょうか…」

おずおずと話してみれば、パッと手を離し、にこにこした笑顔で楽観的に聞かれる。

「グルッペンに…ごぼ、グルッペン様に話すの〜？」

「は、はい…」

「それだったらこっちから話通しとけるから大丈夫。それより、ほんまにAちゃん自身はそれでいいの？」

私はコクっと小さく頷けば、わかったと頭を撫でてじゃあ、また明日迎えに来るねと言って、行ってしまわれた。

「本当にかっこよくて優しいお姉さんだったなぁ…」