2.出会い ページ3
girl said
「洗濯が終わったら、窓拭きお願いできるかしら」
「はーい」
洗濯、窓拭き、それだけで約2時間、4000円…。こんなにも美味しい働き先…いいのかなぁ。
にこにこしてしまう顔を、ぶんぶんと振って仕事に集中する。
今のところ幹部様にも会ってないし、話しかけられてもないし、平穏だ。
「よーし、窓拭きがんばるぞー！」
誰もいなさそうなので、元気を入れるために声を出してみる。すると、どこからか笑い声がした。
き、聞かれてた…！？
「思ったより元気なメイドちゃんやん」
角から姿を表したのは、赤のボーダー服に黄色い繋ぎを着た…着た…お、おん、なのこ？
「こ、こんにちは…？」
「ども〜」
声的には低いんだけど…、ほら、女の子でもハスキーボイスってあるから…決めつけは悪いし…。
身長も高いし、ここは女の子より、お姉さんと言うべきか…。
「なぁなぁ、名前なんて言うん？」
「な、名前ですかっ…？Aです」
「Aちゃんね。おけおけ｣
「あの…貴方は…」
「んー？通りすがりの来客人やから気にせんといて」
「ら、来客様！？こ、これは失礼致しました…！」
た、確かにこんな所歩いてるなんて、位なんて高い方だよね。私のアホーっ…！
「んははっ、Aちゃん、ころころ表情変わっておもろいなぁ」
「そ、そうでしょうか…」
顔にもでてたのか…、は、恥ずかしい…。
すると、お姉さんは私に1歩近づき、またAちゃん、と私の名前を呼ぶ。
その声と言葉と表情に思わずドキッとしてしまう。
そんな彼女に見とれていれば、次の瞬間、衝撃な言葉を口にした。
「なぁ、君、よかったら専属メイドとしてこーへん？」
……
「えっ…」
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作者名：雪村 | 作成日時：2022年10月24日 21時
